不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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“即日完売”物件は、飛ぶように売れていたのか?

[即日完売] “即日完売”物件は、飛ぶように売れていたのか?

大手デベロッパーが供給するバス8分+徒歩1分の大規模マンション。

【第3期本広告】東京駅直通16分(快速利用)、駅バス8分+徒歩1分。総戸数550戸、5棟(14階建×2棟+11階建×3棟)。販売戸数55戸、3LDK(85.02m2)~4LDK(115.37m2)。販売価格4,580万円~6,540万円、最多価格帯5,600万円台(11戸)。平成23年1月中旬竣工(本チラシ掲載日の4カ月後)。

  • ※09年10月3日(土)・11月1日(日)、10年1月3日(日)・2月5日(金)・2月28日(日)・4月16日(金)・5月23日(日)・7月18日(日)・8月8日(日)・8月15日(日)の物件と同じ。

B4判のチラシのオモテ面に「新発売」の表示。
本日のチラシは、販売戸数55戸の第3期の「本広告」だ。
『マンション・チラシの定点観測データベース』を使って、これまでの発売履歴を確認してみた。
総戸数550戸の発売戸数の推移
第1期(発売戸数188戸)から本日の第3期(発売戸数55戸)までの発売戸数の累計は380戸。
総戸数が550戸だから、未だ発売していない戸数は170戸(総戸数の31%)。
折れ線グラフから分かるように、前回の第2期3次(発売戸数20戸)より、若干勢いが増している。
このままいけば、竣工日までの完売もあるかもしれない。


“即日完売”物件は、飛ぶように売れているのか?

さて、完売といえば、不動産経済研究所が9月14日に発表した「8月の首都圏マンション市場動向」には、「即日完売」した5件の物件が紹介されていた。
これら5つの物件は、実際に飛ぶように売れたのか?
それとも、「予告広告」でモデルルームに集客し、“即日完売”できる見通しが得られた段階で「本広告」を出して短期間で受付・抽選に走るという、最近はやりの“即日完売”演出物件なのか?
発売履歴を確認すべく、リクルート社のフリーマガジン「SUUMO新築マンション(首都圏版)」のバックナンバーをひも解いてみた。


上記5件のうち、“即日完売”を演出していると思われるのは以下の3件。
P物件(延伸回数2回、総延伸期間1カ月)
第1期発売予定日の延伸状況(P物件)
駅徒歩5分、総戸数44戸のP物件は、SUUMOの6月8日号で「6月下旬」の発売が謳われていたが、6月22日号では「7月初旬」に、さらに7月6日号では「7月下旬」に延伸されている。
2回の延伸で、最終的には当初予定よりも約1カ月遅れて発売されている。


T物件(延伸回数1回、総延伸期間2週間)
第1期発売予定日の延伸状況(T物件)
駅徒歩5分、総戸数43戸のT物件は、SUUMOの6月22日号で「8月中旬」の発売が謳われていたが、8月17日号では「8月下旬」に延伸されている。
1回の延伸で、最終的には当初予定よりも約2週間遅れて発売されている。


C物件(延伸回数2回、総延伸期間2カ月弱)
第1期発売予定日の延伸状況(C物件)
駅徒歩6分、総戸数56戸のC物件は、SUUMOの4月20日号で「6月上旬」の発売が謳われていたが、6月15日号では「7月中旬」に延伸されている。
その後、2回目の延伸のアナウンスなしに、最終的には当初予定よりも2カ月弱遅れて発売されている。


“即日完売”物件と言われれば、人気があって飛ぶように売れているように思われがちだが、必ずしもそうではないことがお分かりいただけただろうか。


「即日完売」の根拠事実をチラシに開示すべし!

「最高」とか「最高級」といった最上級を意味する用語や、「買得」とか「激安」という著しく安いという印象を与える用語を使用する場合には、その根拠事実をチラシに開示しなければならいのだが――。
「完売」など、著しく人気が高く、売れ行きがよいという印象を与える用語を使用する場合には、「合理的な根拠を示す資料」を有していればいいことになっている(下記の条文参照)。
つまり、「完売」の根拠事実をチラシに開示する必要がないのだ。
このルール、なんとも業者寄りだと思う。
チラシに“即日完売”に至る延伸回数と延伸日数が併記されることを切に望む。

第18条(特定用語の使用基準)

  • 第1項 ※省略。
  • 第2項 事業者は、次に掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ当該表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合を除き、当該用語を使用してはならない。この場合において、第4号及び第5号に定める用語については、当該表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができる。
    • (1) 物件の形質その他の内容又は役務の内容について、「完全」、「完ぺき」、「絶対」、「万全」等、全く欠けるところがないこと又は全く手落ちがないことを意味する用語
    • (2) 物件の形質その他の内容、価格その他の取引条件又は事業者の属性に関する事項について、「日本一」、「日本初」、「業界一」、「超」、「当社だけ」、「他に類を見ない」、「抜群」等、競争事業者の供給するもの又は競争事業者よりも優位に立つことを意味する用語
    • (3) 物件について、「特選」、「厳選」等、一定の基準により選別されたことを意味する用語
    • (4) 物件の形質その他の内容又は価格その他の取引条件に関する事項について、「最高」、「最高級」、「極」、「特級」等、最上級を意味する用語
    • (5) 物件の価格又は賃料等について、「買得」、「掘出」、「土地値」、「格安」、「投売り」、「破格」、「特安」、「激安」、「バーゲンセール」、「安値」等、著しく安いという印象を与える用語
    • (6) 物件について、「完売」等著しく人気が高く、売行きがよいという印象を与える用語

(本日、マンション広告1枚)

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2019年6月1日、このブログ開設から15周年を迎えました (^_^)/
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