不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


管理費の多寡を見極める目安

運送会社の車両置場の跡地に建つ、総戸数26戸の小規模マンション。

【第2期 先着順】大手町駅直通16分、駅徒歩17分。総戸数26戸、9階建。販売戸数3戸、2LDK+S(72.11m2)。販売価格3,800万円〜4,100万円。平成23年3月末日竣工(本チラシ掲載日の7カ月後)。

  • ※4月9日(金)、7月30日(金)の物件と同じ。

2カ月前(7月30日)のチラシの販売戸数は5戸だったので、この2カ月で2戸売れたことになる。
猛暑の中、2カ月で2戸というのは、結構いい成績ではないか。


B4判チラシの裏面の「物件概要」に目を凝らすと、気になる数字が記されている。

  • 管理費(月額)/11,390円
  • 修繕積立金(月額)/5,000円

管理費や修繕積立金は、安ければいいというものではない。
あまりに安く設定されていると、十分な管理や修繕がなされない恐れがあるからだ。


月額5,000円という修繕積立金の安さは論外として――
月額11,390円という管理費は妥当なのか?
不動産経済研究所が8月30日、「首都圏マンション 管理費調査」の結果を発表している。
以下マンション選びの際に、管理費の多寡を見極める目安にしてほしい。


同発表資料には、「地区別」「戸数規模別」「駅からの所要時間」「階高」「平均価格」の区分で、1m2当たりの管理費(月額)が掲載されている。
ただ、いずれも表形式の数値の羅列なので、直観的に理解がしにくい。
そこで、以下に“見える化”(グラフ化)してみた。

地区別
首都圏マンション管理費(地区別)
23区が260円前後。
都下・3県の180〜200円と比べて、圧倒的に高いことが分かる。


戸数規模別
首都圏マンション管理費(戸数規模別)
戸数規模別でみると、「1,000戸以上」の超大規模マンションの管理費単価が圧倒的に高い。
ただ、2007年から2009年にかけて漸減し、2009年には1,000戸未満のマンションの管理費単価に近づいているのが大変興味深い。
超大規模マンションにおいて、ゴージャスな共用施設が減ってきたせいなのか・・・・・・。


駅からの所要時間
首都圏マンション管理費(駅からの所要時間別)
駅に近いほど管理費単価が高いのは、なぜか?
駅に近いほど分譲価格が高いので、購買力のある契約者に対して、より“魅力的な共用施設”、あるいは“ホテルライクなサービス”が設けられた結果ではないだろうか。


階高
首都圏マンション管理費(階高別)
階高が高いほど管理費単価が高いのは、前述した「駅からの所要時間別」と同様の理由が考えられる。
「40〜59階」の管理費単価が、2009年に下落したのは、ゴージャスな共用施設が減ってきたせいなのかもしれない。
低層なのに「〜5階」の管理費単価が高いのは、不動産経済研究所のコメントによれば、「高額エリアを中心に分譲される低層・小規模の高級物件」の影響とのこと。


平均価格
首都圏マンション管理費(平均価格別)
平均分譲価格が高いほど、管理費単価が高いのは、前述した「駅からの所要時間別」と同様の理由が考えられる。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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