不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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期分け表現の統一ルールを策定すべし!

http://d.hatena.ne.jp/images/diary/f/flats/2010-06-18.jpg
物流センター跡地に建つ大規模マンション。

東京駅直通29分、駅徒歩24分。総戸数247戸、13階建。平成22年8月下旬竣工(本チラシ掲載日の2カ月後)。

  • 【第5期 本広告】販売戸数5戸、2LDK(71.38m2)〜3LDK(77.40m2)。販売価格3,198万円〜3,358万円、最多価格帯3,100万円台(2戸)。
  • 【先着順住戸】販売戸数12戸、3LDK(71.38m2)〜5LDK(113.63m2)。販売価格3,138万円〜5,588万円、最多価格帯3,500万円台(4戸)。
  • ※09年4月29日(水)の物件と同じ。


B4判チラシのオモテ面右上隅に「新発売」の表示。
裏面の「物件概要」に目を凝らすと、「第5期」の販売であることが分かる。
あと2カ月余りで竣工するこの物件。
「第5期」までの販売履歴を確認すべく、『マンション・チラシ定点観測データベース』とリクルート社のフリーマガジン「SUUMO新築マンション(首都圏版)」のバックナンバーをひも解いてみた。


「第1章」だとか「第1期」「第2期」、第3期は「1次」から「3次」まで細分化されるなど、期分けの表現に規則性はみられない。
本日のチラシは「第5期」となっているが、実質的には8回に分けて「新発売」されているのだ。


こういった「期分け」の表示についてはルールがないものだから、「オータムステージ」「クリスマスステージ」といったイメージ先行の表現も用いられたりしている。
なぜ、このようなハチャメチャな期分け表現が蔓延しているのか?


売れ残りを避けるために、なるべく人気が均等化するように、マンション全体を小分けして時期を変えて販売するのが「期分け」。
ただ、「期」だけだと「2期」「3期」と数字が進むにつれて、売れ行き不振状況がバレバレ。
そこで「期」をさらに細分化し「次」という表現が編み出された(のではないか)。
「期」と「次」をうまく組み合わせることで、売れ行き不振状況をカムフラージュすることが可能となるというわけだ。


それにしても、「期」と「次」を混在させるのは、まったくの売主都合の“販促ワザ”だ。
どう考えても、消費者の利益にかなっていない。
「次」や「○○ステージ」といった表現を使うことを禁止し、「期」に統一したらどうか。
ただ、残念ながら、業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」に対してこのような規定の追加を主張する関係者はいないだろう・・・・・・。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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