定期借地権付きの超高層マンション。
東京駅直通25分(快速利用)、駅徒歩10分。総戸数315戸、38階建。平成21年7月竣工済み(本チラシ掲載日の7カ月前)。
- 【第5期(最終期)本広告】販売戸数20戸、3LDK(75.82m2)〜4LDK(118.56m2)。販売価格3,940万円〜7,120万円、最多価格帯4,300万円台(3戸)。
- 【先着順】販売戸数17戸、2LDK(71.73m2)〜4LDK(99.61m2)。販売価格2,980万円〜4,390万円、最多価格帯3,900万円台(4戸)。
- ※07年6月2日(土)・6月30日(土)、08年6月6日(金)、09年5月8日(金)・9月25日(金)・11月13日(金)の物件の物件と同じ。
第5期(最終期)の販売を謳うB4判のチラシ。
チラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、第5期(最終期)販売戸数が20戸、先着順販売戸数が17戸。
竣工7カ月が経過して、まだ37戸(総戸数の12%)が売れ残っているということになる。
38階建ての“あこがれの超高層マンション”なのに、定期借地権付きマンション(=使い捨てマンション)にしたのが、売れ行き不振の一因か。
背に腹は代えられずということで、超高層マンションにしては珍しく、チラシのオモテ面に「『モデルルーム使用住戸』新価格販売」として、「700万円DOWN!」が喧伝されている。
- Iタイプ1707号室 92.91m2/3LDK
- 3,960万円 ⇒ 3,260万円 700万円DOWN!
- Eタイプ2106号室 79.46m2/3LDK
- 4,110万円 ⇒ 3,410万円 700万円DOWN!
この700万円の値引き販売。
チョット気になったので、『マンション・チラシの定点観測データベース』を用いて、過去の販売履歴をひも解いて、興味深い事象に気がついた!
- [09年11月13日]
- 808号室 71.73m2/2LDK 3,370万円⇒2,980万円<390万円DOWN>
- 3106号室 102.59m2/3LDK 5,680万円⇒4,700万円<980万円DOWN>
- [10年1月22日]
- 601号室 92.91m2/3LDK 3,740万円⇒3,140万円<600万円DOWN>
- 1908号室 80.79m2/3LDK 4,020万円⇒3,420万円<600万円DOWN>
- [10年2月11日]
- 1201号室 92.91m2/3LDK 3,860万円⇒3,160万円<700万円DOWN>
- 2106号室 79.46m2/3LDK 4,110万円⇒3,410万円<700万円DOWN>
- [10年2月19日] ※本日のチラシ
- 1707号室 92.91m2/3LDK 3,960万円⇒3,260万円<700万円DOWN>
- 2106号室 79.46m2/3LDK 4,110万円⇒3,410万円<700万円DOWN>
去年11月時点の値引きでは、390万円(71.73m2)・980万円(102.59m2)と住戸ごとに差をつけていたのだが――
今年に入ってからは、住戸による違いは付けず、600万円、700万円と荒っぽい値引きとなっている。
しかも1月の「600万円DOWN」に対して、2月に入ってからは「700万円DOWN」と更に値引き幅が大きくなっている。
と、値引きの額や率に目が行きがちなのだが、本日の興味深い事象はそこにはあらず。
値引き対象住戸が、いずれも「モデルルーム使用住戸」と謳われていることが気になるのだ。
チラシ裏面のゴマ粒サイズの小さな文字で次のように注釈されている。
Iタイプ1701号室は平成22年1月より、Eタイプは平成21年12月より棟内モデルルームとして契約時まで使用。
現有有姿でのお引渡しとなります。
「契約時まで使用」される棟内モデルルームとは、言い換えると「売れるまではモデルルーム扱い」ということだ。
「モデルルーム使用住戸」とエクスキューズしておけば、値下げを公表しても既購入者からの反発を免れよう。
次から次へと棟内に発生する「モデルルーム使用住戸」を対象とした値下げ販売に、新たな販促ワザをみた。
(本日、マンション広告3枚)