【予告広告】東京駅直通16分(快速利用)、駅バス8分+徒歩1分。総戸数550戸、5棟(14階建×2棟+11階建×3棟)。販売戸数/未定、3LDK(85.02m2)〜4LDK(135.76m2)。販売価格/未定。平成23年1月中旬竣工(本チラシ掲載日の11カ月後)。
- ※09年10月3日(土)・11月1日(日)、10年1月3日(日)と同じ。
○○エリア「最後のビックプロジェクト」を謳う、大手デベロッパーが供給するバス8分+徒歩1分の大規模マンション。
この大手デベロッパーは2月3日、この物件についてトンデモナイ(と私は思う)プレスリリースを発表している。
(前略)
1.○○(=マンションブランド名)エコビジョン:風力発電機(3基)を初導入
○○エコビジョンは暮らしのエネルギーを「へらす」「つくる」「いかす」の3つの視点でエコを追求し、身近な暮らしの中できちんと実感できるエコを基本観とする環境コンセプトです。
本物件はこの考え方を具現化した第2弾プロジェクトとして様々な取り組みが導入されています。
(中略)
●「つくるエコ」
自然エネルギー「風力発電機(3基)」の活用により発電させた電力を共用部の一部に利用。
(年間平均風速4m/sの風が吹いた場合、3基で年間約1,800kWhを発電。発電量は、現地の年間平均風速を予測し算出した理論予測数値となっております。)
ところが、「風力発電機(3基)を初導入」というこのトンデモナイ内容が、なぜか本日の折り込みチラシにも、物件を紹介しているホームページにも一切触れられていない。
消費者の反響がよければ、チラシでも宣伝しようということなのか・・・・・・。
さて、「風力発電機(3基)を初導入」することがなぜ、トンデモナイと思ったのか。
結論を先に言えば、マンション初の風力発電機導入は、売主都合の“客寄せパンダ”効果に軸足があると感じているからだ。
風車の維持管理費を負担するのは住民だし、騒音や振動音が問題になった時に困るのは住民だ。
また、風車の法定耐用年数は17年(減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第二/機械及び装置の耐用年数表/31電気業用設備/その他の設備 主として金属製のもの)。
マンションの寿命よりもはるかに短い。
そもそもシッカリしたメンテナンスがされていないと、この寿命も危うい。
「3基で年間約1,800kWh」を「共用部の一部に利用」するとされているが、1,800kWhがどの程度の電力量かご存じだろうか。
40Wの蛍光灯にすれば、たったの15本分(毎日8時間使用した場合)でしかない。
※15本=1,800kW÷0.040kW÷8時間÷365日
プレスリリースの「参考写真」を見ると、この風車がクジラのデザインに特徴のあるN社の製品であることが判る。
最大出力1.5kW、定格出力1kWだから、ヘアドライアーのターボモードの電力を賄うのもおぼつかない能力だ。
新エネのモニュメントや教材として導入されるのであればまだしも、「つくるエコ」としてマンションに導入することはとってもナンセンスだ(と私は思う)。
ちなみにこのN社は、明治41年に陶器で創業した老舗なのだが、「平成22年10月期の予想も依然として赤字が続く見込み(平成21年12月11日IR情報)」という厳しい経営状況に置かれている。