不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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母子に忍び寄る高層階の恐怖

流産経験のある妊婦の階数別・居住年数


本日、マンション広告なし。

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8月31日(月)の記事で 「10階以上に住むと流産の割合が10%以上増加」 という東海大学医学部公衆衛生学・逢坂文夫氏の”怖〜い話”を紹介した。
アマゾンから逢坂文夫氏の著書長男・長女はなぜ神経質でアレルギーなのか (講談社+α新書)が届いたので、もう少し詳しく紹介しよう。


全8章のうち、2つの章がマンションがらみ。

  • 第4章 それでもマンションに住みますか?
  • 第5章 母子に忍び寄る高層階の恐怖

とてもインパクトのある見出しだ。
「長く住めば住むほど弊害が」あるとの小見出しで、「流産経験のある妊婦の集合住宅の階数別および居住年数別に見た割合」として、棒グラフが掲載されている(129頁 図表10)。
2002年に某市の3カ所の福祉保険センター管内で4カ月検診を子供に受けさせた母親(第1子のみを出産)を対象としたアンケート(2,300人からの回答)結果に基づく分析だ。

図表10がそれだ。一目見て気づくのは、低層階、中層階、高層階を問わず、居住年数5年以上では、2年以下のパーセンテージのおよそ3倍に跳ね上がるという現実だ。
もともと流産の危険性が高い10階以上の階層では、3〜4年と5年以上の間に大きな差があり、5年以上では実に42.9%の母親が流産を経験している。

本に掲載されている棒グラフだとゴチャゴチャして分かりにくいので、折れ線グラフで整理し直してみた(右上グラフ参照)。
たしかに、10階以上の階層に5年以上住んでいる人の4割以上が流産を経験しているという深刻な状況がよく分かる。


超高層マンションの歴史は浅いだけに、高層階の住人にどのような影響を与えるのか、結論はまだ出ていない」とのことだが、「政府が未だ対策をとっていない現状を考えれば、これからのお子さんを都会で育てる方には、高層マンションの弊害を充分承知しておいて欲しい」というのが著者の主張。


「母子に忍び寄る高層階の恐怖」問題、マスコミで取り上げられないのは、大口スポンサーである不動産会社への遠慮があるからなのか・・・・・・。
大規模な疫学調査は、本来は厚労省の所掌だと思うのだが、「母子に忍び寄る高層階の恐怖」問題に積極的に取り組もというインセンティブが働かないのか、あるいは新型インフルエンザ等の対応で手一杯なのか。

長男・長女はなぜ神経質でアレルギーなのか (講談社+α新書)

長男・長女はなぜ神経質でアレルギーなのか (講談社+α新書)


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