不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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再販価格、周辺の競合物件と差別化できるか

再販物件の価格


本日、マンション広告6枚。

【先着順】大手町駅直通32分(日中平常時)、駅徒歩11分。総戸数76戸、7階建。販売戸数9戸、3LDK(71.10m2)〜4LDK(96.16m2)。販売価格2,598万円〜9,998円。平成19年12月21日竣工済み(本チラシ掲載日の1年8カ月前)。

1年8カ月前に竣工済みの新古マンション。


B3判チラシのシンプルなオモテ面には、Lサイズの1枚の内観写真と次のド派手な文字。

  • 1,492万円 オフ
    • 96.16m2 4LDK+WIC
    • 5,492万円 ⇒3,998万円
  • 852万円 オフ
    • 78.55m2 4LDK
    • 4,050万円 ⇒3,198万円

チラシの右下にゴマ粒サイズの小さな文字で次のように注釈されている。

※モデルルームとして使用したお部屋です。
※平成19年9月30日よりN地所(=本物件の事業主)が旧価格にて販売。
平成21年3月7日より、○○ホーム(=本物件の売主)が新価格にて販売。

この注釈を正確に理解できる人は少ないのではないだろうか。
つまり、こういうことだ。
当初この物件の売主は、N地所だった。
販売に行き詰まったN地所から、一括購入したのが現在の売主である○○ホーム。
この物件は、いわゆる再販物件なのだ。


新価格は旧価格の73%〜84%と幅がある(右グラフ参照)。
専有面積が大きいほど、値引き率を大きくしているのは、絶対金額を下げないと売れないということなのだろう。


ちなみに、N地所(=本物件の事業主)の親会社が1年2カ月前(平成20年6月17日)に「当社子会社における販売用不動産早期処分についてのお知らせ」をプレスリリースしている。

(前略)
△△(=本物件名)につきましては、マンション購入検討のお客様が、千葉県内・東京東部の広範なエリアでの比較、検討をされるために競合物件が多く、買い控えが継続し、価格改定後も販売状況に急速な伸びが見られなかったため、さらに価格を引き下げ、平成20年6月13日に住宅分譲業者に対して未売却住戸58戸を一括売却いたしました
(後略)

約9か月(販売開始:平成19年9月〜一括売却:平成20年6月)で18戸(=総戸数76戸−未売却住戸58戸)しか売れなかったこの物件。
再販価格によって周辺の競合物件とどの程度差別化できるのか、興味深いところだ。

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