不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「会員限定」「優先」は、“販促ワード”

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本日、マンション広告3枚。

【会員限定本広告】大手町駅直通15分、駅徒歩15分。総戸数48戸、12階建。販売戸数16戸、2LDK(64.34m2)〜4LDK(103.43m2)。販売価格4,170万円〜7,720万円。平成21年8月下旬竣工(本チラシ掲載日の1カ月後)。

  • ※08年10月03日(金)の物件と同じ。

流通センターの資材置き場跡地に建つ、中規模マンション。


金曜日だというのに、マンション・チラシがたったの3枚。
そういえば先週の金曜日も3枚だった。
夏休み中は、チラシでの集客を諦めたのか・・・・・・。

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さて、本日のB3判のチラシのオモテ面のドでかいキャッチコピー。

  • 会員限定優先分譲先着受付開始

裏面の「物件概要」に目を凝らせば、「会員限定分譲販売」として、16戸が販売対象であることが分かる。
でも、この“会員限定優先分譲”っていかにも怪しい表現ではないか。


チラシの端から端まで、目を皿のようにして見ても、「会員」に関する情報が見当たらない。
過去に会員を募集していたということなのか?


この物件のホームページを確認してみると、「会員募集中」と書かれている。
ということは、今から入会して、この“会員限定優先分譲”住戸を手に入れることは、誰にでも可能ということになる。
つまり「会員限定」「優先」という表現は、“販促ワード”ということだ。


不動産公正取引協議会連合会 公正競争規約研究会の編著による「不動産広告の実務と規制(9訂版)」に、「友の会会員優先分譲について」と題したQA(頁260)で、このあたりのことを不当表示として、厳に戒めている。
すなわち以下のとおり。

■質問
当社では、新築マンションの販売に当たって、「7月1日から7月15日まで○○友の会会員優先分譲、会員入会申込み受付期間7月15日まで(資格条件なし。入会無料)7月16日より一般分譲開始」という方法で販売しようと考えておりますが、問題ないでしょうか。

■回答
結論から申しますと、お尋ねの場合は、表示規約第23条で禁止している不当表示に当たります。
といいますのは、本来、会員優先分譲というのは、購入者からみると、友の会の会員が一般人に優先してマンションを購入できることを意味するわけです。
お尋ねの場合も、一見このマンションの購入者は○○友の会の会員に限定されているようにみえますが、会員優先分譲期間中に、誰でも無条件で会員になることができることになっており、当該マンションを購入しようとする人は当然、すべて会員になることになります。
したがって、この場合は、会員優先分譲といっても、会員と一般人との間において、マンションを購入する上での資格条件には優劣はなく、また、逆にこの広告日以前に入会していた友の会会員からすると、広告日以降に入会した人と同列に扱われるため、事実上、優先分譲を受けることはできないことになります(また、友の会会員募集の広告に当たって、会員になれば優先分譲が受けられる旨を表示しながら、このような方法で販売する場合は、友の会の会員募集広告も不当表示となります。)。
つまり、お尋ねの場合は、実際には購入者の資格を制限していないのに、制限していると表示していることになり、表示規約第23条第57号で禁止しでいる「取引の相手方の資格又は数、取引の相手方を決定する方法その他取引に関する制限について、実際のものよりも厳しいと誤認されるおそれのある表示」に該当することとなります。
(以下、省略)

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