【第1期本広告】大手町駅直通16分、駅徒歩10分。総戸数29戸(管理事務室1戸含む)、8階建。販売戸数8戸、1LDK(61.16m2)〜3LDK(71.76m2)。販売価格2,990万円〜4,290万円。平成20年6月竣工済み(本チラシ掲載日の8カ月前)。
- ※11月1日(土)、12月18日(木)、12月21日(日)、1月10日(土)、1月22日(木)、1月27日(火)、2月7日(土)の物件と同じ。
8カ月前に竣工済みの小規模マンション。
2週間前(2月7日)のチラシでは「販売戸数6戸」となっていたのに、本日は「販売戸数8戸」と2戸増えている。
キャンセルでもあったのだろうか。
管理事務室を除いた実質的な総戸数は28戸しかないが、完売までの道のりは遠そうだ。
B3判のチラシ裏面には、この無名のデベロッパーの実績が次のようにアピールされている。
安心できる確かな住まいを皆様にお届けいたします。
全6,084戸 53棟の豊富な実績のデベロッパーです。
平成20年度以降 東京都内・埼玉県内で11棟、1,309戸を供給(予定) ※共同事業物件を含む
この無名のデベロッパーの、共同事業物件を含む6,084戸・53棟の実績を豊富と見るかどうか・・・・・・。
不動産経済研究所が2月19日に発表した「全国マンション市場動向(2008年のまとめ)」の中に無名でないデベロッパーによる発売戸数ランキング(上位20社)が掲載されている。
具体的には次の通りだ。
- 順位:事業主(2008年の発売戸数)
- 第1位:大京(4,161)
- 第2位:三井不動産レジデンシャル(3,973)
- 第3位:穴吹工務店(3,843)
- 第4位:藤和不動産(3,353)
- 第5位:大和ハウス工業(2,864)
- 第6位:野村不動産(2,778)
- 第7位:住友不動産(2,568)
- 第8位:コスモスイニシア(2080)
- 第9位:東急不動産(1,865)
- 第10位:東京建物(1,720)
- 第11位:穴吹興産(1,657)
- 第12位:三菱地所(1,583)
- 第13位:ゴールドクレスト(1,503)
- 第14位:マリモ(1,482)
- 第15位:オリックス不動産(1,307)
- 第16位:近鉄不動産(1,229)
- 第17位:セントラル総合開発(1,197)
- 第18位:新日鉄都市開発(1,156)
- 第19位:ダイア建設(1,108)
- 第20位:タカラレーベン(1,106)
トップは、2006年以来、2年ぶりにトップに返り咲いた大京。
昨年1位だった穴吹工務店は3位にランクダウン。
というように、ランキングに目がいきがちだが――。
もう少し違った切り口で考察してみよう。
同資料には、2008年の全国主要都市で発売された民間マンションは98,037戸で、16年ぶりに10万戸を割り込んだと記されている。
一方、上記の販売戸数の上位20社の販売戸数の合計は42,197戸。
ということだから、上位20社で全国の販売戸数の43.0%(=42,197戸÷98,037戸)のシェアを占めていることになる。
この43%のシェア(市場占有率)を高いと見るか低いと見るか?
携帯電話の場合は、NTTドコモ、au、ソフトバンク、EMOBILEの4社の独占。
熾烈なシェア争いを展開しているビールの場合は、アサヒビール・キリンビール・サントリー・サッポロの4社で99%を占める。
このところ元気のない国内乗用車の場合でも、トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・富士重の5社で8割を超えている。
不動産経済研究所の過去の発表データをもとに、全国主要都市の発売戸数に対する上位20社の合計販売戸数のシェアの変化を調べてみた(右上グラフ参照)。
過去2年(06年・07年)40%であった上位20社の合計販売戸数のシェアが08年には43%と微増している。
この3%のシェアの上昇は、弱小デベロッパーのマンション市場からの撤退の予兆なのか・・・・・・。