不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


値下げ販売しにくいのはコンビニ弁当だけでない

販売単価・販売戸数の推移


本日、マンション広告10枚。

東京駅約10分(途中乗り換え・快速利用)、駅徒歩18分。総戸数252戸、15階建。平成21年2月下旬竣工(本チラシ掲載と同月)。

  • 【FINAL STAGE(最終期)本広告】販売戸数13戸、3LDK(75.91m2)〜4LDK(97.35m2)。販売価格4,298万円〜5,768万円。
  • 【先着順販売住戸】販売戸数20戸、3LDK(68.90m2)〜4LDK(97.35m2)。販売価格2,998万円〜5,768万円。
  • ※2月8日(金)、5月9日(金)、6月27日(金)、8月29日(金)、10月12日(日)、12月19日(金)、09年1月17日(土)の物件と同じ。

大規模な再開発エリアの一角に建つ大規模マンション。
今週日曜日に竣工するこの物件。
新聞全紙大のオモテ面半分を、バカでかい黒字が占める。

  • 2.22 Build up

辞書で調べてもBuild upに竣工という意味は見当たらない。
竣工は、completion of constructionあるいは final completionとなっている。
竣工を迎えたチラシでよく見かける「堂々竣工」という表現を使わずに、Build upとしたところに、広告マンの苦心の跡が感じられる。


この物件の販売履歴をひも解くと、第2期7次まで期・次を重ねた後、「FINAL STAGE(最終期)」という表現が用いられている(アルファベット表現が好きな広告マンだ)。
第1期から最終期までの累計販売戸数は180戸(総戸数252戸の約7割)。
竣工して、まだ72戸(約3割)が売れ残っている。
一方、販売単価の推移を見ると、第1期(販売戸数70戸:43.5〜69.8万円/m2)で26万円/m2あった幅が徐々に収束し、最終期(販売戸数13戸:56.6〜59.3万円/m2)では2.6万円/m2と10分の1になっている(右上グラフ参照)。
まだ3割も売れ残っているのに、販売単価が低下していないのは、既契約者への配慮なのか。


売れ残りといえば、セブン-イレブン・ジャパンが消費期限が近づいた売れ残り弁当の値引き販売を不当に制限していた疑いがあるとして、世間を騒がせている。
売れ残りのコンビニ弁当を値下げ販売できないのは、フランチャイジー(=セブン-イレブン・ジャパン)の利益確保とイメージダウン回避のため。
売れ残りのマンションと共通するところがありそうだ。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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