不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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ガラス面を強調した格好いい外観のツケは―

超高層・免震・SIマンションの割合


本日、マンション広告2枚。

【予告広告】豊洲駅直通5分、駅徒歩10分。総戸数483戸、33階建。販売戸数未定、1LDK(44.80m2)〜3LDK(129.61m2)。販売価格未定。平成22年3月中旬竣工(本チラシ掲載日の1年1カ月後)。

  • ※11月9日(日)、1月4日(日)の物件と同じ。

オリンピック選手村近くに建つ、免震の超高層マンション


B4サイズのチラシのオモテ面一杯に描かれた外観CG。
箱型でガラス面を強調したファサードは、妻側角部もガラス面で覆われていて、事務所ビルと見間違えそう。
屋上からゴンドラを吊り下げて窓ガラスを清掃しなければならないという維持管理の大変さもさることながら、大地震時のガラス飛散が気になるところ。
派手な外観は、販促効果はあるだろうが、室内の居住環境とは無関係だ。
格好のいい外観に魅せられるより、開かずの窓(一部、チョットだけ開くようだが)の不自由さを想像しよう。


また、「雨に濡れず、冷暖房完備の『内廊下』」は、快適ではあるが、将来にわたって維持管理費用を負担するのは住民自身だ。
冷暖房費はバカにならないし、そもそもエネルギー浪費型の内廊下マンションは、低炭素社会に反している。


あと気になったのは、間取り図で、無思想的に配置された「PS」記号。
PSとは、パイプスペース(Pipe Space)あるいはパイプシャフト(Pipe Shaft)の略。
上下階を貫通する配管を収納しているスペースのこと。
ガラス面を強調した格好いい外観のツケがここにもありそうだ。
PSが各洋室の壁から室内側に張り出しているから、室内側に飛び出した柱型とも相まって、部屋の角部が凸凹して使い勝手が悪い。
しかも、将来、リフォームするときに邪魔になる。
資産価値の高いSI(スケルトン・インフィル)の思想からはほど遠い。
SI(スケルトン・インフィル)とは、構造躯体(スケルトン)と内装設備(インフィル)を分離させ、PS(パイプスペース)を住戸外に設置することで、メンテナンスや将来のリフォームが容易になるというもの。

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さて、本物件のように免震の超高層マンションは、どのくらい販売されようとしているのか?
リクルート社が運営している「住宅情報ナビ」に登録されている関東のマンション全1,096件(2009年2月9日現在)をひも解いてみた(右上図参照)。

  • 超高層マンション(=20階建て以上):66件(6%)。
  • 免震マンション:29件(3%)
  • SI構造マンション:13件(1%)

免震の超高層マンションは13件あるが、SI構造の免震超高層マンションとなると、たったの2件しかない。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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