不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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“超高層マンション”を謳えば売れるという神話の崩壊

共用施設を大胆なまでに削ぎ落としてコストダウンに挑んだ、大規模な超高層のツインタワー・マンション。

【第2期予告広告】銀座一丁目駅直通5分、駅徒歩6分。総戸数1,063戸、48階建×2棟。販売戸数50戸、1LDK(42.71m2)〜3LDK(153.99m2)。予定販売価格3,970万円〜21,800万円、予定最多価格帯6,000万円台(5戸)。平成21年3月下旬(S棟)・6月下旬(N棟)竣工(本チラシ掲載日の3カ月後・6カ月後)。

  • 6月20日(金)、7月19日(土)、8月1日(金)、8月15日(金)の物件と同じ。

大規模超高層ツインタワー・マンションにしては、やけに小さいB4サイズの折り込みチラシ。
第2期の「予告広告」として示された販売戸数は50戸。
発売予定時期は、「平成21年1月下旬」となっている。
来年の1月下旬?
過去の広告を遡ってみると、7月9日の折り込みチラシでは、発売予定時期が「平成20年8月下旬」となっていた。
いつの間にか、第2期の発売予定時期が5カ月も延伸されているぞ!
延伸に至った状況をもう少し詳しく知るために、リクルート社のフリーマガジン「首都圏版 マンションズ」のバックナンバーをひも解いてみた。
以下のように、予告していた発売時期が来るたびに、何度も延伸していることが分かった。

  • 8月26日号:【第2期 予告広告】発売予定時期9月下旬、販売戸数 未定
  • 9月23日号:【第2期 予告広告】発売予定時期10月中旬、販売戸数 未定
  • 10月14日号:【第2期 予告広告】発売予定時期10月下旬、販売戸数 未定
  • 10月28日号:【第2期 予告広告】発売予定時期11月上旬、販売戸数 未定
  • 11月4日号:【第2期 予告広告】発売予定時期11月下旬、販売戸数50戸

11月4日号になって、ようやく販売戸数が50戸であることが開示されている。

  • 11月25日号:【第2期 予告広告】発売予定時期 平成21年1月下旬、販売戸数50戸

さすがに度重なる延伸がマズイと思ったのか(どうかは分からないが)、11月25日号の予告広告では、これまでチマチマ延伸していた期間を、一気に2カ月も先に延ばしている。
“超高層マンション”を謳えば売れるという神話が、ついに崩壊する瞬間を見たような気がする。
さらに、本日、政府の中央防災会議専門調査会が公表した「中部圏・近畿圏の内陸地震に関する報告」が追い打ちをかけている。
同報告において、「長周期地震動」によって揺れやすい場所を示した全国地図が初めて開示されたのだ。
長周期地震動では超高層マンションなど、巨大な建物が長時間揺れ続けることで、被害がさらに大きくなる恐れが指摘されている。
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(本日、マンション広告9枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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