不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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駅から遠い物件ほど、完成済みの割合が小さい

http://d.hatena.ne.jp/images/diary/f/flats/2008-11-07.jpg

【本広告】大手町駅直通16分、駅からバス7分+徒歩2分。総戸数38戸、10階建。販売戸数7戸、3LDK(65.58m2〜75.08m2)。販売価格2,998万円〜4,298万円。平成20年7月24日竣工済み(本チラシ掲載日の3カ月前)。

駅から遠おーい、竣工済み(完成済み)の小規模マンション。
B3判のチラシのオモテ面にキャッチコピーが躍る。

  • 都心を身近に感じる「大手町」駅へ直通16分。

たしかに最寄りの駅から大手町駅までは直通16分なのだが、その最寄り駅までの道のりは遠い。
本物件から最寄りのバス停まで徒歩2分。さらにバスに揺られて7分かかる。
しかも、「徒歩2分」には横断歩道を渡るときの自動車の通過待ち時間が含まれていないし、「バス7分」は通勤時の平均的な所要時間だ。
雨の日の遅れや、渋滞する時間帯は考慮されていない。
そもそもバスの待ち時間も乗り降りの時間も含まれていない。

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さて、この駅から遠おーい、竣工済み(完成済み)の物件。
駅までの所要時間と完成済み物件との関係はどうなっているのか?
リクルート社が運営している「住宅情報ナビ」に登録されている1都3県の新築分譲マンション全1,177件(11月8日現在)のデータをひも解いてみた。
駅から遠い物件ほど、完成済みの割合が小さいことが分かる(右上グラフ参照)。


もう少し具体的に考察すると――
駅まで「徒歩5分以内」の物件の場合は、未完成物件の割合47%に対して、完成済み物件の割合が53%。
若干だが完成済み物件の割合が上回っている。
ところが駅徒歩5分を超えると、この関係は逆転する。
「徒歩15分超」物件になると、未完成物件の割合60%に対して、完成済み物件の割合が40%と、その差が拡がっていく。


このことは何を意味しているのか?
たとえ駅から遠い物件であっても、不便さに見合った安価な値付けがされていれば売れることを意味しているのではないか。
あるいは、売主が早々と見切りをつけて、投げ売った結果として、完成済み物件の割合が少なくなっているのかもしれないが。
一方、駅チカの物件は、高い価格設定に縛られて、完成後も売りあぐねているといったところだろうか。


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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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