【質問】
(1)窓を開けていて会話ができないほどの騒音でしょうか?
(2)資産価値については、どうでしょうか?
【回答】
(1)鉄道騒音について
「鉄道騒音の実測例」(平野滋「マンションの防音設計」オーム社)によれば、線路から水平距離35m離れた地点の中音域(周波数500Hz)で、
- 1階レベルの騒音値が約60dB、
- 地上29m(10階相当)の騒音値が約70dBです。
音のエネルギー密度(強さ)は、距離の2乗に反比例して小さくなります。ですから、線路からの直線距離では、高層階の住戸のほうが1階住戸よりも離れているので、騒音値が小さくなってもいいようなものです。
でも、実際には高層階の住戸は、1階住戸に比べて遮られるものがないので、騒音の距離減衰による低減効果よりも、直接伝搬する影響のほうが大きい。
その結果、鉄道に近いマンションでは、高層階の住戸ほど、騒音値が大きいことになります。
(2)資産価値について
以下のデメリットにつき、熟考すべきでしょう。
- 鉄道騒音は、道路騒音と違って、24時間騒音ではなく、終電から始発までの間止みますが、朝夕の通勤ラッシュ時には、頻繁に電車が通りすぎることはマイナス要因です。
- 窓を閉めればという考え方もありますが、春・秋の気候の良いシーズンであっても、心地よい自然の風を感じて過ごせません。