不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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予告広告では「新発売」を謳えないのだぞ

敷地の南に河川を臨む総戸数820戸、3棟からなる大規模マンション。

【予告広告】大手町駅26分(途中乗り換え)、駅徒歩16分。総戸数820戸(A棟:222戸、B棟:203戸、C棟:395戸)、17階建(A棟)+14階建て(B棟)+18階建て(C棟)。販売戸数(C棟)未定、2LDK(79.62m2)〜5LDK(131.47m2)。予定販売価格3,100万円台〜7,800万円台。A・B棟:完成済み(平成20年2月5日)、C棟:平成20年7月中旬竣工(本チラシ掲載日の2カ月後)。

  • 2月3日(土)、4月1日(日)、5月23日(水)、6月15日(金)、11月22日(木)、12月21日(金)、2月29日(金)、4月12日(土)の物件と同じ。

A棟、B棟は、すでに3カ月前(2月5日)に竣工済み。
先月(4月12日)打ち始めたC棟(総戸数395戸。7月に竣工予定)の予告広告から、チラシのイメージが一新。
新聞全紙大の本日のチラシも「ブルー」をキーワードに、青色を基調にデザインされている。
まるで缶ビールの広告(アサヒ 本生アクアブルー)と、みまごうばかりだ。
缶ビールの宣伝というわけではないが、本日の予告広告には12mm角ほどの大きい文字で、シッカリと「新発売」と表記されている。
「予告広告」では特定用語である「新発売」を用いることは認められていない。
具体的には、業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」の第18条(2)号の次のくだり。

第18条(特定用語の使用基準)
第18条 事業者は、次に掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ当該各号に定める意義に即して使用しなければならない。

  • (1)※省略
  • (2)新発売
    • 新たに造成された宅地又は新築の住宅(造成工事又は建築工事完了前のものを含む。)について、一般消費者に対し、初めて購入の申込みの勧誘を行うこと(一団の宅地又は建物を数期に区分して販売する場合は、期ごとの勧誘)をいい、その申込みを受けるに際して一定の期間を設ける場合においては、その期間内における勧誘をいう。

ゴチャゴチャ記されているが、ようするに、期分けごとに、初めて販売対象とする住戸に対して期間を設けて受け付ける広告に限り、「新発売」という表現を用いることが許されているということだ。
だから本日の大手デベロッパー3社による大規模物件の予告広告は、広告表示ルール違反!
ちなみに、他の業界では「新発売」の表記の取扱が異なっている。
自動車業界では「新型車発表後12か月」、家電業界では「発売後1年間又は次の新型製品が発売されるまでの期間のいずれか短い期間」
詳細は、以下のとおり。

  • 自動車業における表示に関する公正競争規約及び同施行規則
    • 公正競争規約 第4条(特定用語の表示基準)
      • 「新発売」、「新型登場」等の商品が新しくなったことを意味する用語を新聞、雑誌、テレビ、ラジオ及びインターネット等を用いて表示する場合は、施行規則で定めるところにより表示すること。
    • 新車に関する施行規則 第14条
      • 新型車発表後12か月とする。ただし、モデルチェンジ、マイナーチェンジ等新型車の発表が予定される以前の6か月間は使用しないものとする。
  • 家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約施行規則
    • 第37条
      • 3.「新」、「ニュー」等の用語は、当該品目の発売後1年間又は次の新型製品が発売されるまでの期間のいずれか短い期間を超えて使用することはできない。

(本日、マンション広告9枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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