不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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先着順住戸と予告住戸の混在チラシは新たな販促ワザ

1カ月前に竣工した、都心まで若干遠めの激安大規模マンション。

  • 先着順住戸概要】販売戸数17戸、3LDK(71.25m2)〜4LDK(90.03m2)。販売価格2,288万円〜3,188万円、最多価格帯2,500万円台。
  • 第2期2次予告概要】販売戸数未定、販売価格未定、3LDK(71.25m2)〜4LDK(90.03m2)。

「先着順住戸概要」と「第2期2次予告概要」が併載されている理由を知りたくて、モデルルームに電話取材した。

  • 筆者「チラシでは、先着順住戸が17戸、第2期の販売戸数が未定となっていますが、先着順と第2期とでは、販売対象住戸が違うのでしょうか?」
  • 女性販売員「はい、違います。当社では現地で現物を見ていただき、2期販売予定住戸の中に気に入った住戸があれば、先着順住戸と差し替えさせていただいています」

予告広告(この場合は第2期2次の予告広告)に掲載されている販売予定住戸は、契約も予約の申し込みも、申し込み順位の確保措置さえも禁じられている。
だから、「先着順住戸と差し替え」販売は、完璧なルール違反だ。

  • 筆者「そっ そうなんですか」
  • 女性販売員「はい。予告広告を打たないと、広告が出せないのでそうしています」

「予告広告を打たないと、広告が出せない」という女性販売員の説明は、言葉をはしょり過ぎて分かりにくいのだが――。
なぜひとつのチラシに「先着順住戸」と「第2期予定販売住戸」を混在させる必要があるのか?
つまりこういうことだ。
すでに第1期で売れ残ったいつでも販売可能な「先着住戸」を、予約申込不可である「第2期予定販売住戸」のチラシに併載し、「先着順住戸と差し替え」販売することで、結果的に全ての住戸に対していつでも販売できる。
先着順住戸と予告住戸の混在チラシは、デベロッパーが編み出した新たな販促ワザだ。

(本日、マンション広告なし)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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