二重サッシは、外部騒音が大きい敷地に建つマンションに採用される。防音対策にはなるが、開かずの窓になってしまう可能性もある。
間取り図のサッシは一重線か? 二重線か?
折り込みチラシに掲載されている間取り図によく目を凝らしてほしい。
窓のサッシが二重の線で描かれている場合がある。
二重の線は二重サッシであることを意味しているので、そのマンションが外部騒音の大きい敷地に立っていると推定できる。
幹線道路や線路沿いのマンションで、防音性能の高い二重サッシを採用するのは正しい選択だとしても――。
間取り図のサッシ部分に描かれている、採光と通風を意味する2つの線状のマーク。
通風の良さを想起させるこの青色の線状のマークは消費者をミスリードしている。
外部騒音が大きいマンションの二重サッシは開かずの窓ではないか。
このような敷地周辺の騒音環境の悪さを感じさせないチラシの演出を見抜くには、サッシが一重線で描かれているのか、二重線で描かれているのかよく確認することだ。
高速道路の近くは騒音レベルが深夜でも大きい
専門書(実務的騒音対策指針 応用編/日本建築学会編)をひもとくと、道路騒音の具体的な大きさが書かれている。
都市内の主要幹線道路(4車線程度)は、深夜になると55dBに低減するが、都市内の高速道路などは、深夜であっても70dBと依然と大きい。
高速道路近くの騒音レベルは深夜でも大きい。騒音環境的には避けたいところだ。
また、幹線道路沿いは交通騒音だけでなく、排気ガスの影響も受ける。
マンションを購入する際に騒音に関して注意すべき点
マンションを購入する際に、騒音に関して注意すべき点は多々あるが、最後はフトコロ具合と相談してどこかで妥協するということになる。
でも、チェックすべき点を知ったうえで妥協するのと、何も知らずに見過ごしてしまうのとでは、後々の後悔の度合いが違うだろう。
マンションを購入する際に騒音に関して注意すべき点を以下に示そう。
- 清閑な場所を選ぶこと(鉄道・道路騒音を避けること)
- エレベーターの出入り口近くの住戸は避けること
- 歩行音が気になる屋外鉄骨階段から離れた住戸を選ぶこと
- 駐車場・駐輪場やエントランスホールの直上階の住戸も避けたほうが無難
- 「自由プラン」を選ぶ場合には、上下左右の隣接住戸の間取りが、自分の住戸の寝室などに騒音被害を及ぼさない配置になっていることを確認すること
入居後は、住民と良好な人間関係を醸成する努力を重ねておくことも、有効な騒音対策のひとつだろう。