免震マンションは、地震の激しい揺れを「積層ゴム」で柔らかく受け止めて、建物上部に激しい揺れを伝えない。
ビデオや携帯電話などのように、商品を差別化するために、高機能化、高付加価値化していくのは世の常だ。マンションの免震化も商品の差別化戦略のひとつ。
ざっくり言うと
- 非免震マンションは、安全ではあっても安心はできない
- 免震マンションは、地震の激しい揺れを「積層ゴム」で柔らかく受け止める
- マンションの免震化も差別化戦略のひとつ
- 大地震が起きないと免震性能は実証できない
非免震マンションは、安全ではあっても安心はできない
通常の耐震設計が施されたマンションは、大地震時の倒壊防止・人命確保の観点から設計されており、家具の転倒や非構造部材の破損はやむなしとしている。
だから、震災後の機能回復、損傷復旧などのことを考えると安全ではあっても安心はできない。
免震マンションは、地震の激しい揺れを「積層ゴム」で柔らかく受け止める
それに対して免震マンションは、地震の激しい揺れを「積層ゴム」で柔らかく受け止めて、建物上部に激しい揺れを伝えない。
建物の倒壊防止・人命確保はもちろん、家具の転倒防止・非構造部材の破損を免れることから、大震災に対しても安心だ。
リクルートの「住宅情報ナビ」に登録されていた首都圏の新築マンション全1,241件(2007年9月23日現在)を調べてみると、免震工法を採用しているのは、1.9%(23件)と少ない。
でも、20階以上のいわゆる超高層マンション43件のうち、21%(=9件÷43件)も免震工法が採用されているのは注目に値する。
マンションの免震化も差別化戦略のひとつ
マンションの免震化がより安心できる居住環境の実現に向かっていることに間違いない。
なぜこれほどまでに、超高層マンションに免震工法が採用されているのか?
ビデオや携帯電話などのように、商品を差別化するために、高機能化、高付加価値化していくのは世の常だ。
マンションの免震化も商品の差別化戦略のひとつ。
注意すべき点がいくつかある。
大地震が起きないと免震性能は実証できない
免震マンションの設計・施工には、高度な技術が必要だ。ノウハウの少ない設計事務所やゼンネコンが手掛けた免震マンションは危うい。
性能の低い免震マンションは、いざ大地震のときにこんなはずではなかったということになる。
また、エレベーター業者がエレベーターの維持管理で飯を食っているように、免震を導入したマンションでは、免震装置の維持管理が飯の種になる。
免震装置の施工責任と維持管理責任を明確に区別することが難しいから、維持管理業務は、免震装置の施工会社系列が受注するのかもしれない。
競争原理が働かないぶん、住民は高い維持管理費用を負担することになる。
免震マンションの免震性能は玉石混交。
建築技術に明るくない一般の人が免震マンションの良し悪しを見極めるのは、ほとんど不可能だ。
携帯電話であれば、使い勝手が悪ければ他社に乗り換える費用は大したことはないが、マンションを買い換えるとなると、一大事だ。
しかも厄介なことに、大地震が起きてからでないと免震性能は実証できない。
(本日、マンション広告なし)
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