マンションの屋内プールとは、将来赤字を生み出す可能性が大きい、販促のための共用施設のひとつ。
赤字を出さずにプールの運営(経営)ができるのか
15mの屋内温水プールを備えた大規模マンションがある。
- 〇〇スポーツ(=企業名)が水泳のレッスンを実施。
特定の時間帯を設け、希望の人に“無料”のワンポイントレッスン。また、有料で成人対象、幼児・児童対象のスイミングスクールを開催するという。
いくら大規模マンションとはいえ、10年も20年も赤字を出さずにプールの運営(経営)ができるのか。
〇〇スポーツは、テナント代を共有施設というかたちでマンション建設費に上乗せし、マンションの購入者に負担させた上で、マンション住民という「会員」を対象にフィットネス事業を営んでいるということになる。
屋内プールの維持管理費・運転費も「マンション管理費」に含まれているとすれば、屋内プールを利用しない住民にとっては、納得がいかないかもしれない。
折り込みチラシには小さな文字で、しっかりと次のように注記されている。
- 本サービスは入居後、〇〇スポーツと管理組合との間で意見交換を行った上で、2カ月後を目安に稼動します。
- サービス内容は変更となる場合があります。また、将来に渡って本サービスが受けられるとは限りませんので、予めご了承ください。
屋内プールの運営リスクを負うのはマンション管理組合
「将来に渡って本サービスが受けられ」なくなる可能性としては、〇〇スポーツの倒産も考えられる。
水の事故、水質管理不良によるレジオネラ菌事故など、屋内プールの運営リスクを負うのは、〇〇スポーツだ。
でも、〇〇スポーツが善管注意義務を果たしていたとしたら、あるいは同企業にリスク負担能力がなければ、そのリスクを負うのは、マンション管理組合だ。
そもそも屋内プールの設置リスクそのものを負担するのは、管理責任のあるマンション管理組合。
10年後に屋内温水プールが卓球スペースに変わっている、なんてことはないだろうか・・・・・・。