不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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住宅ローンの返済例に見る数字のマジック

海浜地域に建つ、駅から遠い大規模マンション。

【先着順物件概要】東京駅直通29分(快速利用)、駅徒歩23分。総戸数283戸、13階建。販売戸数14戸、3LDK(70.67m2)〜4LDK(85.57m2)。販売価格2,678万円〜3,578万円、最多価格帯3,500万円台。平成19年5月25日竣工済み(本チラシ掲載日の2カ月前)。

  • 1月8日(日)、11月18日(土)の物件と同じ。

竣工して2カ月経過。いまだ5%(=14戸÷283戸)が売れ残り。
3つの間取り図のヨコに、それぞれ次のような月々返済の例が併記されている。

  • C1b2 type(3LDK)70.67m2 販売価格2,738万円
    • 自己資金108万円、借入金2,630万円
    • 月々返済79,563円、ボーナス返済0円
  • F2b2 type(3LDK)85.57m2 販売価格3,418万円
    • 自己資金118万円、借入金3,300万円
    • 月々返済99,832円、ボーナス返済0円
  • H2 type(4LDK)85.30m2 販売価格3,418万円
    • 自己資金118万円、借入金3,300万円
    • 月々返済99,832円、ボーナス返済0円

これらを見ていて、おっやと思ったのは2点。
ひとつ目は、F2b2 type(3LDK)とH2 type(4LDK)がどちらも同じ販売価格(3,418万円)であること。
たしかに専有面積は85.57m2、85.30m2とあまり違いはないが、間取りはかなり違うぞ。
値付けが荒っぽ過ぎないか?
二つ目は、自己資金として例示されている金額。
販売価格2,738万円に対して自己資金108万円、販売価格3,418万円に対して自己資金118万円の設定となっているのだが――。
販売価格に対する割合を見ても、3.9%(=108万円÷2,738万円)、3.5%(=118万円÷3,418万円)というように、特に規則性があるわけでもない。
月々の返済額が8万円未満(79,563円)、10万円未満(99,832円)となるように逆算したとしか思えない。
そういえば、次の金利表示もあまり感心しない。

  • 提携住宅ローン(りそな銀行、他)
    • 店頭金利より全期間−1.2%優遇

−1.2%」の部分だけが、大きくて赤色のゴッシク文字で目立つように表示されている。
「物件概要」に目を凝らせば分かるのだが、住宅ローン金利が1.2 %ということではない。
1.2%優遇された後の金利は1.425%だ。
住宅ローン金利1.425%ではなく、優遇金利「−1.2%」を強調した広告表示は、消費者の誤認誘発効果狙いではないのか。
月々の返済額が8万円未満、10万円未満となるよう逆算での自己資金設定とか、誤認誘発の「−1.2%」優遇金利表示とか、この手の数字のマジックには要注意でしょう。

(本日、マンション7枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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