マンション広告の「物件概要」には、広告主に関する事項や、物件の所在地、規模、価格、交通の利便や環境に関する事項など、業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」で表示することを義務付けられた、客観的な情報が詰まっている。
なぜゴマ粒サイズの文字の表示が許されているのか?
高齢化社会に向けて、本や新聞の文字の大きささがどんどん大きく、読みやすくなっていくのに、このとても重要な情報が凝縮された「物件概要」の文字の大きさは限りなく小さいままだ。
「不動産の表示に関する公正競争規約」の第7条(必要な表示事項)には、「見やすい場所に、見やすい大きさ、見やすい色彩の文字で明りょうに表示しなければならない」と定められているのに、なぜゴマ粒サイズの文字の表示が許されているのか?
同規約運用基準に「原則として7ポイント未満の大きさの文字」は認められないと定められているから、結果的に許容範囲の下限値である7ポイント・サイズの文字が採用されているのだ。
さらに同規約運用基準には「『見やすい大きさの文字』であるかどうかは、単に文字の大きさだけではなく、文字数、レイアウト、書体、文字色、文字間隔、行間隔などを総合的に勘案して判断される」というなんとも曖昧なルールが補足されている。
1行の長さを規定するルールは無い
肝心の1行の長さを規定するルールが無いので、1行の長さが38cmというような、とんでもないチラシも出てくる。行が変わるたびに次の行頭を追う目線がなかなか定まらず、とってもとっても読みにくい。
保険の約款のように、ゴマ粒大のとっても小さな文字がぎっしりと詰まっている物件概要だが、ここは我慢して、しっかり目を通そう!