不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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先着順住戸と予告住戸の混在チラシは新たな販促ワザか

都心まで若干遠めの激安大規模マンション。

大手町駅直通36分(快速利用)、駅徒歩13分。総戸数170戸、12階建。平成18年9月26竣工済み(本チラシ掲載日の1カ月前)。

  • 先着順住戸概要販売戸数17戸、3LDK(71.25m2)〜4LDK(90.03m2)。販売価格2,288万円〜3,188万円、最多価格帯2,500万円台。
  • 第2期2次予告概要:第2期販売戸数未定、販売価格未定、3LDK(71.25m2)〜4LDK(90.03m2)。
  • 8月21日(日)、7月16日(日)、7月28日(金)、11月3日(金)の物件と同じ。

「先着順住戸概要」と「第2期2次予告概要」が併載されている理由を確認したくて、電話取材した。

  • 筆者「チラシでは、先着順住戸が17戸、第2期の販売戸数が未定となっていますが、先着順と第2期とでは、販売対象住戸が違うのでしょうか?」
  • 女性販売員「はい、違います。当社では現地で現物を見ていただき、2期販売予定住戸の中に気に入った住戸があれば、先着順住戸と差し替えさせていただいています」



予告広告(この場合は第2期2次の予告広告)に掲載されている販売予定住戸は、契約も予約の申し込みも、申し込み順位の確保措置さえも禁じられている。
だから、「先着順住戸と差し替え」販売は、完璧なルール違反だ!

  • 筆者「そっ そうなんですか」
  • 女性販売員「はい。予告広告を打たないと、広告が出せないのでそうしています」
  • 筆者「???」



「予告広告を打たないと、広告が出せない」という女性販売員の説明は、言葉をはしょり過ぎて意味不明なのだが――。
なぜひとつのチラシに「先着順住戸」と「第2期予定販売住戸」を混在させる必要があるのか?


筆者の推理は、次の通りだ。
チラシの「物件概要」に目を凝らすと、販売戸数17戸が、公庫融資の対象住戸となっていることがわかる。
公庫融資物件の場合、デベロッパーは、購入者を公募し、抽選によって決定することが義務付けられている。
すでに第1期で売れ残った抽選義務のない「先着住戸」と、抽選義務のある「第2期予定販売住戸」をひとつのチラシに併載し、「先着順住戸と差し替え」販売することで、結果的に全ての住戸に対して抽選義務を免れ、自由に販売できる・・・・・。


さらに女性販売員とのやり取りを続けよう。

  • 筆者「ホームページをみると、先着順住戸が16戸(チラシでは17戸)、第2期販売住戸は未定ではなく15戸となっていますが・・・・・・」
  • 女性販売員「1戸売れたんです」


  • 筆者「1戸売れたから、ホームページのほうの販売戸数は、チラシの販売戸数よりも1戸少ないということなんですね」
  • 女性販売員「ホームページは昨日更新していますので」


  • 筆者「ホームページの先着順16戸と第2期の15戸を合わせた31戸が全ての販売対象住戸ということでしょうか?」
  • 女性販売員「いいえ、このあと第3期でさらに別の住戸を紹介する予定です」



本物件はすでに2カ月前(9月下旬)に竣工済みだ。
総戸数170戸の大規模物件といえども、まだ31戸以上も売れ残っているとなると、その割合は2割(≒31戸÷170戸)に迫る。
第3期の予告広告、要チェックだ。

(本日、マンション広告6枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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