不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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ローン返済支援保険料を売主が2年間負担する物件は―

駅チカ、商業地域に建つ小規模マンション。

大手町駅26分(途中乗り換え)、駅徒歩2分。総戸数19戸(店舗1戸含む)、10階建。販売戸数3戸、1LDK(32.33m2)〜3LDK(72.39m2)。販売価格2,430万円〜4,120万円。平成18年10月上旬竣工(本チラシ掲載日の1カ月後)。

  • ローン返済支援プラン/当社負担 当初2年間
    • 世帯主の病気やケガによる長期入院時に、安心サポート
    • 突然の会社倒産による失業時に、安心サポート
  • 分譲サポートプラン/当社負担 当初1年間
    • 火災や水害、盗難時等の家財に対する「分譲家財総合保障」、個人的な賠償責任に対応する「個人賠償責任保障」の二つの安心保障と、全国の温泉旅館や有名レジャースポットの割引サービスをセットにしたお得なプランです。

本物件の住宅ローン取り扱い金融機関は、〇〇信用金庫。
上記二つのプランは、信用金庫業界統一の保険である「しんきんグッドサポート」と「しんきんグッドすまいる」がベースになっているものと思われる。
「思われる」という歯切れの悪い言い方をしたのは、本物件が謳っているプラン(保険)と信金保険とでは、次のような違いがみられるからだ。

  • 本物件が謳っている「ローン返済支援プラン」が病気やケガで連続<15日以上>入院した場合に保険料が支払われるのに対して、「しんきんグッドサポート」では<30日超>の病気やケガでの入院が保険金支払い対象となっている。
  • また、本物件の保険は、「全国の温泉旅館や有名レジャースポットの割引サービス」がセットになっている。

まあ、このような違いはともかく、注意したいのは、「当社負担 当初2年間」「当社負担 当初1年間」というくだりだ。
これらの保険料を「負担」しているのは、表面上は売主かもしれないが―。
売主が「負担」している保険料は、マンションの分譲価格に含まれているだろうから、実質的に保険料を「負担」しているのはマンションの購入者だ。
とうことは、これらの保険を必要としていないマンション購入者にとっては、余計な負担を強いられていることになる。
そもそもこのようなプラン(保険)に惹かれて本マンションを選ぶ人が多いとすれば、「当社負担」期限後に、住宅ローン破綻する人が増える恐れはないのか。
ローン返済支援保険料を売主が2年間負担するという販促ワザは、禁じ手だと思う。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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