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マンションの老朽化問題は、低層でも超高層でも同じか?

マンションの老朽化は、低層マンションでも超高層マンション(階建て20階以上)でも同じか?
たしかに最近の超高層マンションは、高強度コンクリートやSI(スケルトン・インフィル)構造の採用によって、従来よりも長期使用に耐える物件が登場している。
でも、超高層マンションの歴史は浅く、その維持保全については、従来の経験知では必ずしも対応できない部分があるかもしれない。
それにも係らず修繕積立金が低中層マンションと変わらない月額であることが、将来の積立金不足(修繕不能)問題に波及する可能性を指摘しておきたい。
百歩譲って、超高層マンションに、どんなに建築技術的な(ハード面での)改善が施されたとしても、社会構造的な(ソフト面での)改善が施されない限り、老朽化問題は低層マンションの比ではないというのが筆者の結論。
社会構造的な問題とは―。
超高層マンションの高層階と低層階の住民の経済格差に起因している。
一般的に高層階に住む人は、経済的に余裕のある人だ。
一方、低層階に住む人は、

  1. SOHOで都心での執務を必要とする人。
  2. 郊外に戸建を持ち、平日の「痛勤」回避用に2つ目の住居を都心に持つことのできる経済的に余裕のあるビジネスパーソン
  3. 都心の超高層マンションにあこがれ、高層階の住戸にはチョット手が出ないが、安価な低層階の住戸ならば購入可能な人。

問題は、3つ目のケース。
たとえ大幅な値引きで、低層階の住戸を手に入れることができたとしても、その後、月々の管理費・修繕積立金などの負担に耐えていかなければならない。
エレベーターをよく使う高層階の住人も、エレベーターをほとんど使わない1階の住人も、毎月の管理費・修繕積立金の負担は、専有面積あたりにすれば変わらない。
経済的に余裕のある高層階の住人とそうでない低層階の住人が同じ金額を支払うということは、当然、低層階の住人のほうが負担は大きいはずだ。
経済的に余裕のない低層階に住む住人が、高い費用負担に耐えられなくなったとき、超高層マンションのスラム化は、低層マンション以上に加速する可能性がある。
高層階と低層階の住民の経済格差 ―― 超高層マンションが本質的に抱えている社会構造的な(ソフト面での)問題だ。

(本日、マンション広告なし)

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