不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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無限収納システム・サービスは―

18階建て総戸数740戸の大規模マンションの第3期2次予告広告。

銀座1丁目駅直通5分、駅徒歩4分。総戸数740戸、18階建。販売戸数15戸、1LDK(55.33m2)〜4LDK(85.88m2)。販売予定価格3,300万円台〜5,000万円台、最多価格帯4,800万円台。平成19年2月下旬竣工(本チラシ掲載日の8カ月後)。

  • 9月11日(日)、9月19日(月)、9月25日(日)、5月5日(金)、5月18日(木)の物件と同じ。

本日は金曜日なのに、マンション広告は、なぜか2枚と少ない。
このブログで既に5回取り上げている物件だが、本日の広告枚数が少なかったので、今一度取り上げる。
広告の隅々まで、じっくり目を通していくと、次の記載が気になった。

  • 専門業者に委託する「インフィニティクロゼット」(無限収納システム)
    • 管理と空調が行き届いた専門業者にトランクルームを確保。
    • 配布される収納ボックスを使って、年4回定期的に季節用品などの荷物の入れ替えができる独自のシステムです。

広告に掲載されている6つの間取り図を見ると、各洋室のクロゼット、和室の押し入れ、廊下に面した納戸などがあり、特に収納性が悪いわけではないようだ。
なのに、無限収納システム(=トランクルームサービス)も付いているという。
この無限収納システムに要する費用はどうなっているのかと、広告を見ていくと―。

※使用料は管理費に含まれます。
(収納ボックス2個まで)Aパターン・Bパターンの中からお選び頂けます。

なっなんと、管理費に含まれている!
では、管理費はいくらか?
ゴマ粒大の文字で書かれた「物件概要」に目を凝らすと「管理費等/未定」。
おいおい、一体管理費はいくらんなんだと突っ込みを入れたくなるのだが―。
業界の自主ルールでは、「予告広告」の場合、管理費を省略(=記載しなくてもよい)ことになっている。
しかたがないので物件のホームページで確認すると「月額13,900円〜16,100円」となっていることが分かった。


さて、無限収納システム・サービスに要する費用は一体いくらなのか?
本物件の管理予定会社のホームページを調べてみると、月額利用料が「1,680円/戸(税込)〜」となっていることが確認できた。
月額利用料1,680円/戸(=年額20,160円÷12カ月)という価格は、本物件に入居予定の方が書いているブログで紹介されている数値とも一致している。
無限収納システム・サービスに要する費用は、月額利用料1,680円/戸。
だから、無限収納システム・サービスの費用は、「管理費」の1割以上も占めていることになる。
ということは、本物件の管理予定会社は、今後何十年にもわたって、毎年約1,500万円(=1,680円/戸×12カ月×740戸)の売上を見込める事業を確保できたことになる。
一方、マンション購入者は、利用の有無に係らず、無限収納システム・サービスのために、20,160円の年貢を払い続けなければならない。
本物件は、管理会社、設計・施工会社、販売提携(代理)会社がグループ会社だ。
「無限収納システム・サービス」は、このグループ会社にとっては、大変優れたビジネスモデルといえるが、マンション購入者にとっては・・・・・・。

(本日、マンション広告2枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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