不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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登記簿謄本から取得した個人情報でダイレクトメールする是非


もくじ



ブログ読者からの質問

当ブログの読者から、登記簿謄本から取得した個人情報でダイレクトメールする是非について質問を頂戴した。

読者からの質問
私は〇〇(=デベロッパー名)のマンションを5、6年前に購入した者です。
その〇〇の営業所から買い替えを促すダイレクトメールが届いたので、どこから私の個人情報を入手したのか問い合わせたところ、下記の回答を得ました。
いかかがなものなのでしょうか?

下記のデベロッパーの「個人情報の取扱いに関する窓口」からのメール回答を要約すると次のようになる。
すなわち、個人情報保護法が施行された本年4月以降であっても、登記簿謄本のような誰でも閲覧可能な情報から作成した名簿に基づいた営業活動を続ける、ということ。

デベロッパーからのメール回答
※原文のまま
前略 お世話になっております。


さて平成17年11月16日(水)のメールで確認を求められました「登記簿謄本および抄本を閲覧し、そこからダイレクトメールを発送する方法を、今後も継続して弊社で行っていくのか」とのご質問について、返答申し上げます。


まず結論を申し上げますと、今後もこの手法で個人情報を取得すること、及びお客様へ情報の提供を行うことを継続させていただきます。
△△様の確認依頼のメールを受け、弊社内の関係部署と弊社としての対応について、協議を重ねました。


弊社では個人情報保護法施行の本年4月以降も「一般市場で入手できる名簿は使用可能」としております。一般市場で入手可能な名簿の例としては、NTT発行の電話帳、市販出版物、ホームページ上などで公開されている情報などです。
その中の一つとして登記簿謄本および抄本も含まれます。これらの名簿を元にしたお客様に情報提供するのは弊社の営業活動に必要な業務と捉えております。


今回の登記簿謄本および抄本等は、誰でも閲覧が可能であり、公開を差し止めることが不可能なものでございますので、その点は弊社として如何ともし難いことであることをご理解いただきたく思います。


以上、よろしくお願い申し上げます。
最後に今回の返答までにお時間を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。

草々

デベロッパーの「個人情報の取扱いに関する窓口」からのメール回答の内容は、本当に問題がないのであろうか―。

国土交通省の見解

平成17年4月1日付けで、国土交通省総合政策局不動産業課長が関係団体に通知している、次の書類に記載されているQAに抵触しているのではないか。


不動産登記簿、固定資産課税台帳から個人情報を入手した場合には、本人への利用目的の通知または公表が必要か。


公開されている情報であっても個人情報に該当しうる。
不動産登記簿や固定資産課税台帳に記載されている情報は個人情報であり、
これらの個人情報を取得した場合には利用目的の公表や本人への通知が必要である。

(以下省略)

このデベロッパーは、不動産登記簿から個人情報を得たことについて「本人への通知」を怠っていることについて、問題がありそうだ。

法務省に照会してみた。

法務局の見解

法務局のメールによる見解は、下記のとおりであった。
文末に書かれているように、「登記情報には、個人情報が含まれていること及び登記制度の趣旨から、その取扱いには十分な配慮がなされるべき」というのがどうも結論のようだ。

東京法務局の見解
※原文のまま
東京法務局でございます。
お問い合わせいただいた事項について回答いたします。


不動産登記制度は、国民の基本的財産である不動産の現状と権利の変動を迅速かつ正確に登記簿に記載し、これを公示して不動産取引の安全と円滑を図ることを目的として制定され、不動産登記法第119条においては、登記簿の公開に関して規定しています。


不動産取引等を行なうに当たって、その不動産が登記簿に記載されているかどうかの有無、あるいはその不動産にどのような権利の登記がなされているかなどを調査するために公開されるものです。
そのため、個々の不動産登記の内容に関する利用目的や理由を明らかにすることなく、誰でも手数料を納付し申請書を提出すれば、登記簿の写しの交付及び閲覧を請求することができます。


不動産登記法第127条においても、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の適用除外について規定しており、登記簿等に記録されている個人情報については、不動産登記法において独自の完結した開示・訂正の制度を備えているので、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に定める開示・訂正の制度による必要はないとされています


また、登記簿に記載されている個人情報は適法に取得されたものでないということは通常考えられず、これを公示することにより不動産取引の安全と円滑を図るという不動産登記法第1条の目的からして、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律による利用停止請求権を認めることは、この目的に反することになるからです。


しかしながら、取得した登記情報の利用方法について、その取得目的により制限することは困難ですが、登記情報には、個人情報が含まれていること及び登記制度の趣旨から、その取扱いには十分な配慮がなされるべきものと考えます。


何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます。
平成17年12月2日
東京法務局民事行政部不動産登記部門

2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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