不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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街並誘導型地区計画のある地区に建つマンション

5駅5路線利用可能で、銀座4丁目の交差点まで690mという超都心型マンション。

銀座駅徒歩9分。総戸数107戸(非分譲1戸含む。他に店舗1戸)、16階建。販売戸数未定、STUDIO(29.01m2)〜4LDK(91.88m2)。販売予定価格2,000万円台〜8,000万円台、最多価格帯3,000万円台。平成19年2月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年4カ月後)。

交通の便がいいだけに、予定販売価格も3LDK(77.81m2〜81.06m2)で5,000万円台〜7,000万円台といい値段だ。
「物件概要」に目を凝らすと、敷地面積935.84m2、延床面積9,669.33m2と書かれているから、容積率は1,000%超(=延床面積9,669.33m2÷敷地面積935.84m2)とかなりのスシ詰め状態であることがわかる。
なぜ、容積率1,000%を超えるマンション建設が可能なのか?
ひとつは、本敷地が居住環境規制のゆるい商業地域にあること。
そして、もうひとつは、本敷地は、街並誘導型地区計画が導入されている地域にあること。
街並誘導型地区計画とは、特定行政庁(ここでは区長)が交通上、安全上、防火上、衛生上支障がないと認めた場合に限り、容積率や高さの制限を緩和することができる、地区計画の制度のひとつ。
銀座から築地周辺の建築物の多くは,老朽化が進み既に更新の時期を迎えている。その大半は昭和39年の容積率制度導入以前のものなので、地区全体の機能更新や災害時の安全確保が難しい状況にある。
そこで、街並誘導型地区計画を導入し、容積率や高さの制限を緩和することで、建て替えを促進しようというもの。
このような街並誘導型地区計画の導入によって、地域の活性化が促進されるのであればよいのだが、長い時間をかけて形成されてきた古き良き時代の街並が失われることはないのか―。
チラシのオモテ面には、築地本願寺から見た本マンションの外観CGが掲載されている。
重厚さを全く感じさせない、薄っぺらなマンションのファサード(外観)は、地域の良好な街並形成に貢献しているといえるか。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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