不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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内覧業者とは?

そもそも内覧会とは何なのか?

内覧会とは、デベロッパーにとって、とても都合のよいネーミングだ。
すでに手付け金を支払っているマンション契約者に対して、入居までの楽しいイベントのひとつとして演出しようとしている。内覧会で特に大きな指摘を受けなければデベロッパーは、ひと安心だ。
でも内覧会というのは、ある意味でマンション契約予定者の「竣工検査」だ。マンションの竣工検査という観点に立てば、本来、契約予定者とデベロッパーとの真剣勝負の舞台であるはずだ。


では、内覧業者とは何か?

分譲マンションの内覧会に同行し、購入者とともに住戸の仕上がり具合をチェックする業者のこと。
内覧業は、マンションという生涯で最大の買い物を専門的な目でチェックしてほしいという、建築技術に不案内な人のニーズから生まれたニッチな市場。
2時間程度の内覧会同行サービスに個人がすんなり出せる費用としては、2、3万円くらいか―。
5万円を超えると財布のひもが固くなってくることだろう。
消費者サイドとしては、1件あたり5万円の内覧会同行サービスを高いと感じる人は多い。一方、内覧業者サイドから見たとき、半日かけて1件5万円で商売になるのか。
仮に、一件あたりの内覧会同行費用が5万円だとして、内覧業者1人が午前と午後に1件ずつこなすとして、内覧会が開催されるのは、勤め人が休みとなる土日に集中するから、1カ月でせいぜい16件だ。
このとき一人あたりの1ヵ月の売り上げは、80万円(=@5万円×16件/月)となる。
でも、1年を通してコンスタントに内覧会同行依頼を獲得しするにはかなりのマーケティング力を要する。とてもじゃないが、内覧業だけを生業(なりわい)とすることには難がありそうだ。
このニッチな市場への参入者は次のように大別できる。

  • 内覧専門業者
    • 内覧会同行サービスだけでなく、契約書類チェック・サービス、契約立会いサービスなど、多様な関連サービスを提供することによって利益確保に努めている。
  • 設計事務所の副業
    • デベロッパーやゼネコンが重要顧客なので、いつも消費者の味方とは限らない。
  • 建築関係の経験豊富な個人
    • ボランティア精神旺盛で、経験豊富な建築技術者にめぐり逢うことができればラッキー。

明日(内覧会同行サービスは不可欠か?)に続く・・・・・・。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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