不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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消費者の真の味方は誰か?

専門的に建築を学んできた人や仕事でこの業界に携わっている人を除けば、いざマンションの購入検討を思い立ったとき、なにから始めたらいいのか、すぐに答えを見出せる人は少ないだろう。
では、誰に相談すればいいのか?
そこで登場するのは次の8人のプレーヤーだ。

  1. デベロッパー
  2. 評論家
  3. ゼネコン(建設会社)・設計事務所
  4. 役所
  5. 独立系コンサルタント
  6. 公庫・銀行
  7. インターネットの掲示板
  8. 知人

以下、具体的に検証してみよう。

デベロッパー

実績が豊富でシェアが高く、経営が安定しているデベロッパーの物件は基本的に安心できる(詳細については、『デベロッパーはシェアと実績と経営で選べ』 http://d.hatena.ne.jp/flats/20050609 )。
ただし、現地の販売員はマンションの住戸を売り切るのが最大のミッションであるから、彼らの言質に信を置くことはリスクが大きい。

評論家

業界で飯を食っている評論家については、論を待たない。彼らのコメントには注意を要するだろう。

ゼネコン(建設会社)・設計事務所

ポイントは金の流れ。
ゼネコン・設計事務所は、直接的・間接的にデベロッパーから仕事を受注している。たとえ居住者のためにという高邁な理想を秘めていたとしても、金の源流であるデベロッパーの意向を踏まえたとき、できることには限界があるだろう。

役所

法の抜け穴を狙う業者に対して、役所はとても無力だ。役所は、マンションの計画が法規を満足していれば、建築確認申請を通さざるを得ない。
建築基準法は、あくまでも「最低の基準」を規定している(第1条)にすぎないから、デベロッパーが利益最優先に走るとき、マンションの豊かな居住環境は必ずしも保証されない。

独立系コンサルタント

業界で飯を食っているという点では上記の評論家と同じ。どこまで中立性を確保しているコンサルタントであるのか見極める必要がある。

公庫・銀行

公庫基準がマンションの水準の底上げに貢献している部分は大きい。
お金の流れ的にデベロッパーよりも上位に位置する公庫・銀行を、もっと消費者の味方につけてもいい。

インターネットの掲示板

Yahoo!掲示板(不動産)やeマンション掲示板( http://www.e-mansion.co.jp/com/ )には本音情報が満載。匿名者の発言であることと、デベロッパーの販売員が情報操作している場合があることを踏まえ、真偽の見極めが必要だ。

知人

先に住宅を購入した知人、特に自分と価値観の近い知り合いに経験談を訊く。
彼らの判断の根拠には、必ずしも技術的裏づけ、合理的な理由がないかもしれないが、知人の語る情報には多くの安心できる判断材料を見出せるかもしれない。
例えば、住宅設備機器の使い勝手の良し悪しについては、メーカーにいくら訊いても、完全に客観性をもったコメントは期待できない。信頼できる友人の生の声を大いに参考にしょう。

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で、結局、上述8人のうち消費者の真の味方は誰れなんだ?! と問われれば――。
「デベロッパー」から「知人」に並べた順番をみて、下にいくほど信が置ける、と私は考える。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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