土曜日、マンション・チラシ3枚。
- 9月4日(土)、4月9日(土)の物件と同じ。
大手町駅直通9分、駅徒歩3分。総戸数77戸、8階建。販売戸数14戸、2LDK(61.11m2)〜3LDK(81.87m2)。販売価格3,380万円〜5,580万円。平成17年3月18日竣工済み(本チラシ掲載日の3カ月前)。
駅徒歩3分、日本橋直通7分。交通の便がよい中規模マンション。
なのに、竣工して3ヵ月が経ち、2割近く(=14戸÷77戸)も売れ残っているのはなぜか?
原因を探るべく、現地取材を実施した。
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幹線道路から1本入った、一方通行の生活道路の南側に建っていた。
たしかに駅チカなのだが、そのぶん救急車のけたたましい音も聞こえてくる。とても閑静な地域とはいえない。
でもこれが売れ行き不振の理由ではないだろう。
現地を見れば一目瞭然。「全住戸明るい南向き」が売りであるのにも係わらず、本物件のすぐ南側に8階建てのオフォスビルがそびえているのだ。
法的に必要な隣棟間隔が確保されているとはいえ、南側のバルコニーから見えるのがオフィスビルの執務空間というのでは、さぞや落ち着かないことだろう。
売れ行き不振のもうひとつの理由としては、北側の生活道路の存在が考えられる。
駅と運転免許試験所を結ぶ近道となっているので、免許の書き換えに通行する人の波が絶えない。
特に1階住戸の入り口は、生活道路の歩道に面しているので、セキュリティ上も不安が付きまとう。
1階住戸の玄関ポーチ前に取り付けられた格子扉や窓の格子は、泥棒避けとしての機能があるのだろうが、どちらかというと、檻の中に住まわされているという雰囲気だ。
あとひとつの難点は、ユニバーサルサービスへの配慮不足。
1階住戸の玄関は、歩道から階段を3つ上った高さにある。「公道から直接帰宅できる一歩進んだ専用のポーチ付エントランス」であることが裏目にでていないだろうか。
某ニュータウンで、当時はお洒落であった玄関アプローチの階段が、今では老齢化した住民の苦痛の種となっていることを忘れてはならない。