不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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厳正な抽選は担保されているか?


土曜日、マンション・チラシ2枚。

  • 5月14日(土)の物件と同じ。

六本木駅直通15分、駅徒歩1分。総戸数71戸、13階建。販売戸数11戸、1LDK(40.02m2)〜2LDK(58.90m2)。販売価格2,450万円〜3,830万円。平成18年5月上旬竣工(本チラシ掲載日の1年後)。

シングルやDINKS向けの超都心型のコンパクトマンション。

  • 抽選日時/平成17年5月30日(月)11時から

竣工まであと1年。第1期の販売住戸数は、総戸数71戸のうちの11戸(15%)と少ない。
はたして公正な抽選が担保されているのだろうか?
平日、しかもシングルやDINKSが参加しにくい月曜日を、あえて抽選日に設定するところが、なんとも怪しい―。
デベロッパーにすれば、モデルルームを訪れた人の希望にそって、事前に十分に調整を施し、希望住戸がかち合うことを避け、できるだけ「完売」したいはずだ。
それでも、調整しきれなかった場合には、抽選に及ぶわけだ。
抽選になったからには、デベロッパーとしては、現在住んでいるマンションの転売が購入条件の人だとか、ローン審査が通るかどうかわからない人よりも、確実に購入してくれる優良顧客に当選してほしいはずだ。
優良顧客に当選させるべく、クジを操作をすることは可能なのか?
希望住戸のかち合った数に応じて、サクラを準備することで理屈的には対応可能だ。
例えば、ひとつしかない最上階の角住戸をA・Bの二人が希望していたとしよう。
どうしても優良顧客Aに当選させたい場合、サクラが3人いれば、5人で1つの住戸を争うことになるので、その当選確率は5分の1だ。
でも、実際にはサクラが当選した場合には、優良顧客Aに譲ればいいのだから、Aの実質的な当選確率は5分の4と高くなる。
サクラの効果はそれだけにとどまらない。
応募者数が販売戸数に満たない場合には、抽選会場の賑わいを演出できる効果もある。
抽選会場で上述のようなサクラ作戦が展開されているのか否か、真偽のほどは定かではない。
でも、月曜の11時に抽選日時設定するようなデベロッパーのチラシを見るにつけ、そのような疑念がわいてくるのは筆者だけだろうか・・・・・・。
いずれにせよ消費者の自衛策としては、抽選前にデベロッパーが行うバッティング住戸の調整時に、自分の望んでいる住戸を強く訴えることだ。ゆめゆめ第二希望など申告してはならない。あわせて自分に購買意欲と購買能力があることを主張することも忘れずに。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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