不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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物件概要の文字の小ささは隠ぺい体質の現れか?

大手町駅直通10分、駅徒歩4分。総戸数357戸、20階建。販売戸数7戸、2LDK(71.47m2)〜4LDK(87.35m2)。販売価格3,420万円〜4,570万円。平成18年2月下旬竣工(本チラシ掲載日の10カ月後)。

  • 6月24日(木)、7月22日(木)の物件と同じ。

高齢化社会に向けて、本や新聞の文字の大きささがどんどん大きく、読みやすくなっていく。なのに、とても重要な情報が凝縮された「物件概要」の文字の大きさは限りなく小さいままだ。
このゴマ粒サイズの文字表示ルールは、一体どうなっているのか?
実は、「不動産の表示に関する公正競争規約」の第7条(必要な表示事項)で、「見やすい場所に、見やすい大きさ、見やすい色彩の文字で明りょうに表示しなければならない」と定められている。
さらに、同規約運用基準をひもとくと、文字の明りょう性について「原則として7ポイント未満の大きさの文字」は認められないと定められている。ただし「『見やすい大きさの文字』であるかどうかは、単に文字の大きさだけではなく、文字数、レイアウト、書体、文字色、文字間隔、行間隔などを総合的に勘案して判断されるもの」である旨が補足されている。
ようするに、原則として7ポイントよりも小さい文字は認めないが、文字間隔・行間隔、レイアウトなどによって見えやすければ、7ポイントよりも小さい文字サイズの使用を認めようということだ。
このなんとも不明瞭なルールにしたがって、大多数のマンション・チラシの「物件概要」には7ポイント(=ゴマ粒大)のサイズの文字が採用されている。
文字が小さくて読みにくい文書の代表例としては、保険証の契約約款が思い浮かぶ。小さな文字を詰め込むことで、読む人が契約内容を理解しようとする意欲を殺ぐことに効果を発揮している。契約内容をできるだけ理解してほしくないという保険会社の姿勢の現れだろうか・・・・・・。
本チラシも御多分に漏れず7ポイントのゴマ粒大の文字で記載されているから、とても読みにくい。
しかも、1行の長さが37.5cmもあるから、行が変わるたびに次の行頭を追う目線がなかなか定まらず、とってもとっても読みにくい。
1行の長さを規定しているルールが無いとはいえ、このあまりにも読みづらい物件概要のレイアウトは、情報をできるだけ開示したくないというデベロッパーの体質の現れなのだろうか・・・・・・。

(本日、マンション広告11枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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