不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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年度末竣工の売れ残り物件をさばく怪しげなキャッチコピー

金曜日、マンション・チラシ5枚。

  • 8月21日(土)、8月28日(土)、11月26日(金)、2月5日(土)の物件と同じ。

大手町駅直通11分、駅徒歩9分。総戸数112戸、14階建。販売戸数3戸、2LDK+S(75.96m2)〜4LDK(83.68m2)。販売価格3,310万円〜4,360万円。平成17年3月竣工(本チラシ掲載日と同じ月)。

  • 販売済住戸/キャンセル待ち受付開始
  • オープンルーム販売/限定3戸(特典付)

当月末(年度末)に竣工する売れ残り物件を売り急ぐキャッチコピーが、2センチ角くらいの大きな文字で掲載されている。
短文の舌足らずなキャッチコピーには、少々解説が必要だろう。
最初のキャッチコピーは、販売済みの住戸をどうしても手に入れたい人は、既契約者にキャセルが出た場合には購入可能になるので、取りあえず予約受付することを促している。
2つ目のキャッチコピーは、現地モデルルームとして利用していた「オープンルーム」3戸を特典付きで販売するという意味。
モデルルームで使っていた照明器具やエアコンを処分しようとするとかえって費用がかかるというデベロッパーの都合により、「特典付」と称して住戸契約者に譲渡するというケース。モデルルームにあるテーブルやソファなどの什器は、レンタルの場合があるので、必ずしも「特典付」には含まれない。
でも、この2つのキャッチコピーは、どこか不自然だ。
デベロッパーとしては、使い古しのモデルルーム(3戸)を売ることができれば、全ての物件を完売したことになるので、プロジェクトとしては完了のはずだ。
なのに、あえて販売済み住戸のキャンセル待ち受付をするのは、どこかヘンだ。
「販売済み住戸のキャンセル待ち受付」とは、名ばかりで、モデルルーム以外の売れ残り住戸を売りさばくための方便と理解したほうがよさそうだ。
そういえば、本日の他の物件のキャッチコピーにも、売れ残り完売のためのデベロッパーの苦心の跡が感じられる。

  • 堂々完成 限定3戸(3月11日竣工。総戸数170戸)
  • 即入居可! ご好評につき、○○(=マンション名)は、いよいよあと3戸のご案内となりました。(3月上旬竣工。総戸数49戸)

それにしても、追い込みチラシの販売戸数に「3戸」が多いのはなぜか?
4戸では死を連想させるので縁起が悪い。5戸以上では、売れ残り(=ダメな物件)の印象を与えかねない。2戸や1戸では、実際の売残り戸数との乖離がありすぎて使いづらいということなのだろうか。
いずれにせよ、年度末竣工物件の「限定」「キャンセル待ち」「堂々完成」「即入居可」などのチラシ表現に惑わされないことが肝心だ。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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