金曜日、マンション・チラシ11枚。
- 7月23日(金)の物件と同じ。
東京駅直通16分、駅徒歩22分。総戸数648戸、全7棟、12〜15階建。販売戸数15戸、4LDK(115.06m2〜142.94m2)。販売価格4,830万円〜6,290万円、最多価格帯5,100万円。平成17年2月末日竣工(本チラシ掲載日と同じ当月末)。
大型住戸からなる超大規模マンション。
7カ月前のチラシの雰囲気とずいぶん変わってしまっている。
7カ月前のチラシではキャッチフレーズのひとつが「リゾート」。「海に近いマンション」を謳い、「海を臨む露天風呂付き大浴場スパ」のハガキサイズのCG写真が掲載されていた。
なのに、本日のチラシでは、24時間のセキュリティ・システムやディスポーザーシステムなど、日常生活に密着した設備の宣伝に紙面を費やしている。
露天風呂のCG写真は、名刺の半分のサイズにまで縮小されている。
温泉スパや露天風呂など、バブルな共用設備が将来不良資産化する危うさを消費者が気付き始めたことへの対応だろうか。
でも、「物件概要」には、従来通り「スパ(大浴場)利用料/月額300円」とあるから、やはりスパ(大浴場)の不良資産化は免れないだろう。
東京都の銭湯の料金は大人400円(中人180円、小人80円)。これは月額ではない。1回当たりの利用料金だ。本マンションの月額300円の料金設定がいかに無謀(無責任)なものか理解できる。
さて、本日のチラシで大きく宣伝している「ディスポーザーシステム」の内容もチェックしてみよう。
- デイスポーザーを使っていますか ⇒使っている(98%)
- 使用頻度は ⇒ほぼ毎日(91%)
- ゴミが減ったと思いましたか ⇒減った(93%)
- 操作は簡単ですか ⇒操作しやすい(78%)
- 必要なシステムと思われますか ⇒必要(90%)
- 上下の作動音はどうですか ⇒気にならない(89%)
- マンション購入の動機になりましたか ⇒購入動機となった(46%)
以上は、「実際に『ディスポーザーシステム』を採用しているマンション入居者の方々へ」のタイトルの下部に記されている。
でも、誰がいつ、どのように調べたのかチラシには記載されていない。
念のためにインターネットで調べてみたところ、本物件の売主の2002年10月プレスリリースに、世田谷区・多摩地区の2物件の入居者565世帯を対象に実施した手前味噌調査があった。
565世帯を調査対象としているが、実際の回答は359世帯だから回答率は64%とそれほど高くない。
本日のチラシに記載されている内容とプレスリリースのアンケート結果とでは、表現が微妙に違っている。
- ディスポーザーシステムを「使っている」世帯が98%であることについては、チラシもプレスリリースも相違はない。でも、「使用頻度」についてチラシでは「ほぼ毎日91%」となっているが、プレスリリースの調査項目に「使用頻度」はない。
- チラシでは、「ゴミが減ったと思いましたか ⇒減った(93%)」とあるが、プレスリリースでは、「生ごみの減った割合はどの程度ですか?」という質問で、選択肢が10割減・9割減・8割減・7割減・その他の5つしかない。しかも15%が「その他」を選んでいる。プレスリリースには、チラシの93%に根拠を与える表現はどこにも見当たらない。
- チラシでは、「操作は簡単ですか」となっているが、プレスリリースでは、「使い方はすぐに分かりましたか?」だ。「操作が簡単であること」ことと「すぐに使い方が分かる」こととは同じとはいえない。
- チラシでは、「必要なシステムと思われますか」となっているが、プレスリリースでは、「マンションに『生ごみ処理システム』は必要ですか?」となっている。前者では90%が「必要」となっているが、後者では、「絶対に必要」「必要」を合計しても75%だから、数値が合わない。
- 上下の作動音については、チラシもアンケート結果もほぼ同じ内容だ。
以上のように、このチラシのディスポーザーシステムの記載内容は、プレスリリースのほうを正しいとすると、かなりいい加減だ。
いい加減の域を超えて情報操作をしているといっても過言ではない。
このような情報操作が許されるのだろうか・・・・・・。