不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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外部騒音情報についても表示すべし

駅前再開発エリアに建つ永住タイプの大規模マンション。

大手町10分、駅徒歩4分。総戸数357戸、20階建、平成18年2月末竣工(1年8ヶ月後)

江東区の新規マンション建設規制が厳しくなる以前に建築確認が取得(平成15年8月)されている。
平面は平凡な羊羹(ようかん)輪切りタイプだが、アウトフレーム・逆梁工法が採用されていて、広い室内空間が確保されている模様(だだし、天井高さは不明)。
また、床スラブ厚250mm、二重床・二重天井、戸界壁厚200mmなど、隣戸との遮音性能は高い。さらに、耐震等級2(建築基準法レベルの1.25倍)、構造躯体等の劣化対策等級3と、見えないところにも十分な品質が確保されている。
マンション単体だけをみれば、永住タイプのマンションの要件を備えているように見える。

でも、周辺環境で気になるところがある。
マンションの全体配置図を見ると、敷地の北側が線路に、南側が幹線道路に挟まれていることが分かる。
外部騒音が気になったので、チラシの隅々を確認したが、デベロッパーにとって不利な外部騒音の話題やサッシの遮音性能の記載はどこにも見当たらない。
そこで、マンション販売先に電話取材してみた。

  • 筆者「マンション敷地が線路と○○通りに挟まれていますが、窓の遮音性能はどうなっていますか?」
  • 販売員「30等級のアルミ・サッシを採用しています」
  • 筆者「二重サッシではないのですね」
  • 販売員「そうではありません。30等級の遮音性能の高いアルミ・サッシです」

30等級のアルミ・サッシといえば、日本工業規格のT-2等級だ。一応「防音サッシ」に分類されている。でも、騒音対策には金をケチらず、より遮音性能の高い35等級でもいいのではないか。
でも、もっと本質的な問題として、消費者にとって重要な騒音に係る情報がマンション・チラシに記載されていないことを指摘しておきたい。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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