厚生労働省は10月6日、「旅館業法上の指導等の状況について」公表。
詳しい説明がなく、全体像が把握しづらいので、可視化分析してみた。
143都道府県市区を対象に実施した過去4か年(13年度から15年度)のデータが開示されている(次図)。
詳しい説明がなく、全体像が把握しづらいので、可視化分析してみた。
自治体が指導・調査した件数は16年度に激増
無許可営業の可能性があるとして、16年度に全国自治体が指導・調査した件数が10,849件。15年度の1,413件から激増している様子が分かる(次図)。
自治体が指導・調査に乗り出した端緒(きっかけ)は、「警察・消防等の関係機関からの連絡(43%)」と「近隣住民・宿泊者等からの通報(34%)」が多い。「保健所における巡回指導等(16%)」は少ない。「管理会社等からの連絡(5%)」となると極めて少ない。
16年度指導・調査の対象のうち、半数余りが「調査中」
16年度に指導・調査の対象となった10,849件の内訳を次図に示す。
「調査中(営業者と連絡が取れないもの等)」が半数余りを占めている。
次に多いのは「指導継続中」で約3割。そのうちの半分近くが「許可に向けた指導」が行われている。
「営業を取りやめた」のは14%。
厚労省調査では民泊の8割は指導・調査の対象にすらなっていない!?
厚労省の調査対象は、都道府県、保健所を設置する市、特別区(143都道府県市区)。16年度に指導・調査した件数は10,849件。
筆者の独自調査によれば、16年度にAirbnbに登録されていた物件数は約4.5万件(次図)だから、厚労省調査は約2割(=10,849件÷4.5万件)の物件を対象にしていたことになる。
残りの8割(その多くは無届民泊)は、指導・調査の対象にすらなっていないことになる。
「全国Airbnb登録件数 5.3万件(前月比0.5%増)」より