人は誰でも年を取る。
タワーマンションがどうのこうのと言っていた人も、いつかは高齢者向け住宅や有料老人ホーム、介護保険施設などに移ることになる。
サ住協が発表した満足度調査結果。
30代、40代の人は親のこととして、50代以降の人は遠くない将来の自分のこととして、目を通しておいて損はないだろう。
サ住協が満足度調査結果を発表
サービス付き高齢者向け住宅協会は8月13日、「サービス付き高齢者向け住宅ご入居者満足度調査 最終版」(PDF:405KB)を発表。
36都道府県のサービス付き高齢者向け住宅協会会員の237住宅に入居している高齢者を対象として、3月に実施された郵送によるアンケート調査。有効回答 2,402件(113住宅)(回答率24.0%)。
入居者の年齢は80歳代が5割を超える(次図)。
「サービス付き高齢者向け住宅ご入居者満足度調査 最終版」より
入居の前と後で変化する評価
全32問のうち、特に問9の次のアンケート結果が興味深い。
「周辺環境」から「友人など新しい生活」など、16項目について、次のように4つのフェーズ(入居時重視、入居し満足、期待外れ、今後重視)で質問しているのだ。
- ご入居を決定されるにあたってどのような点を重視されましたか
- 実際入居されてみて満足されている点
- 実際入居してみて期待外れの点
- あなたが現在の生活やこれからの生活で重視している点
回答結果は次図のように4つのフェーズごとにグラフ化されている。
これらのグラフでは全体像がつかみにくいので、4つのグラフを1枚にまとめてみた(次図)。
興味深いと思ったのは、次の2点。
1点目は、「医療、介護サービス」に対する考え方の変化について。
「医療、介護サービス」は、入居を決定する際に重視する項目としては8番目だったが、実際に入居してみて今後重視する項目としては1番目に上がっていることだ。
年を取ると現実的に直面する問題としては、「周辺環境」や「家族との距離」よりも、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)に係る「医療、介護サービス」のほうがより重要ということなのであろうか。
2点目は、「食事内容」に対する考え方の変化について。
「食事内容」は、入居を決定する際に重視する項目としては、下から3番目と低い扱いとなっている。ところが、実際入居してみて期待外れとした項目では1番目に上がっている。また、今後重視する項目としても決して低い順位でないのである。
多くのサ付き住宅の食事サービスの水準が低いためなのか、あるいは居住者の期待値が高すぎたのか。サ付き住宅を選ぶ際には、食事サービスの水準についてもシッカリ比較検討の対象に含めておいたほうがよさそうだ。
まとめ
「サービス付き高齢者向け住宅ご入居者満足度調査」結果から学べる、サ高住を選ぶ際のチェックポイントは次のとおりだ。
- 「周辺環境」や「家族との距離」よりも、QOLに係る「医療、介護サービス」のほうがより重要
- 食事サービスの水準についても、シッカリ比較検討の対象に含めておくこと