兵庫県は12月25日、条例骨子案を公表。
学校や保育所など子育て施設や教育施設周辺、住宅専用地域での営業を全面禁止。
兵庫県が「日本一厳しい」民泊条例骨子案を公表（神戸新聞）
兵庫県は12月25日、条例骨子案を公表。
学校や保育所など子育て施設や教育施設周辺、住宅専用地域での営業を全面禁止。
「日本一厳しい」民泊条例制定へ 県が骨子案発表
一般住宅に有料で客を泊める「民泊」に関し、兵庫県は25日、学校や保育所など子育て施設や教育施設周辺、住宅専用地域での営業を全面禁止とする条例骨子案を発表した。民泊を規制する条例は各地に広がっているが、県によると、現状では全国で最も厳しい規制内容という。
（中略）
井戸敏三知事は25日の会見で「（兵庫県では）民泊を使わなければいけないほど、旅館やホテルの利用率が高くはない。現状を前提にした規制内容にした」と説明。その上で「民泊は管理者がおらず、火災や衛生の基準も甘い。安全性を考慮し（ホテルや民宿の順守義務などを定めた）旅館業法とのバランスを重視した」と話した。（以下略）（神戸新聞NEXT 12月25日）
条例骨子案の中身
兵庫県のホームページに住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例（仮称）」骨子案のパブコメが掲載されているので中身を確認してみよう。
条例制定の趣旨：生活環境の悪化防止、善良な風俗の保持を義務付け
「骨子案の概要」には、条例制定の趣旨として、生活環境の悪化防止だけでなく、民泊事業者に善良な風俗の保持の義務付けが掲げられている。
条例制定の趣旨
（前略）本県では、県民の生活環境の悪化や近隣住民とのトラブルを防止し、住宅宿泊事業の適正な運営の確保を図る観点から、法第 18 条の規定に基づく、住宅宿泊事業の実施を制限する区域及び期間の設定に加え、事業者の周辺地域への配慮として、事前周知及び善良な風俗の保持を義務付ける本県独自の措置を盛り込んだ条例を制定します。
民泊を制限する区域・期間：日本一厳しい!?
住宅専用地域だけでなく、小中高校や保育所など児童福祉施設のほか、図書館などの社会教育施設の周辺100ｍ以内の民泊営業が全面的に禁止されている（次表）。
また、国立公園や県立自然公園内、景観形成地区や国民保養温泉地などでも、夏期（7、8月）と冬期（11月～3月）の週末（金～日曜日）・祝日・祝前日の民泊営業も禁止されている。
性的好奇心をそそる設備の設置禁止
住宅宿泊事業者等の周辺地域への配慮義務
- 近隣住民への説明会の開催による事前周知
- 善良の風俗を保持するため、性的好奇心をそそる設備の設置禁止
【旅館業に係る施設の構造設備の基準等を定める規則を準用】
「性的好奇心をそそる設備」とは、何のことを言っているのか？
「旅館業に係る施設の構造設備の基準等を定める規則」をひも解くと、「別表第１」１の２に次のように規定されている。
１の２ 客室の構造設備の基準
- （１）動力により振動し、又は回転する等その形態が通常のものでない寝具、（※以下割愛）
- （２）性的好奇心をそそる物品で次に掲げるものを提供する自動販売機その他の設備が設けられていないこと。
ア 衣服を脱いだ人の（※以下割愛）
ラブホテル（最近は「レジャーホテル」ともいう）の民泊化の排除が狙いか……。
兵庫県内の民泊の実態を確認しておこう。
兵庫県内Airbnb登録物件600件、神戸市内に集中
兵庫県内のAirbnb登録物件は611件（12月1日現在）。都道府県ランキング11位（次表）。
「Airbnb国内登録件数5.5万件（前月比2.5%減）」より
筆者が毎月モニタリングしているAirbDatabankデータのうち、兵庫県内でAirbnbに登録されている物件数の推移は次図のとおり。
この1年間で91件（18％）増加。
（AirbDatabankデータを元に作成）
兵庫県内のAirbnb登録物件は、神戸市内に集中している（次図）。
（AirLABOデータを元に作成）
