内閣府は8月26日、「国民生活に関する世論調査」の結果を公表。
現在の生活に「満足」とした人は過去最高の73.9%。
「住生活」の調査結果データをひも解いてみた。
今の生活に「満足」、過去最高の73.9%(朝日記事)
内閣府は8月26日、「国民生活に関する世論調査」の結果を公表。
現在の生活に「満足」とした人は過去最高の73.9%。
今の生活に「満足」、過去最高の73.9% 内閣府調査
内閣府は26日、国民生活に関する世論調査の結果を公表した。現在の生活に「満足」とした人は、前年より3.8ポイント増え73.9%と過去最高になった。「生活の中で時間のゆとりがある」とした人は68.6%(前年比1.5ポイント増)で、こちらも過去最高だった。(以下略)
(朝日新聞デジタル 8月27日)
同公表資料には、「現在の生活の各面での満足度」として、「 所得・収入」や「資産・貯蓄」、「食生活」や「住生活」など、7項目の調査結果データが掲載されている。
そこで、「住生活」の調査結果データをひも解いてみた。
都市規模が小さいほど、住生活の満足度は高い
都市の規模に関わらず概ね8割が「満足」(=「満足している」+「まあ満足している」)という結果だ(次図)。
東京都区部(76.0%)に対して、町村(85.6%)というように、都市規模が小さいほど、住生活の満足度は高くなる傾向が見られる。
年齢・性別に関わらず住生活の満足度は8割超
住生活面では、各年代とも8割を超えているが、30代から50代の満足度が相対的に低い(次図)。
性差による違いはほとんどないが、女性のほうが男性よりも若干満足度が低い結果となっている。
住生活面での満足度は特に07年以降、上昇傾向が見られる(次図)。
雑感(国民の8割が住生活に満足!?)
ホントに8割もの国民が住生活に「満足」しているのか?
調査方法に問題はないのか?
調査対象者は、全国18歳以上の日本国籍を有する者10,000人(有効回収6,319人、63.2%)。層化2段無作為抽出法が採用されている。調査時期は、平成29年6月15日~7月2日。
ネットではなく、調査員による「個別面接聴取法」が採用されている。国からの委託を受けた専門知識や技術を持つ民間の調査会社の調査員が、自宅に訪問し、面接による調査である。
よほどひどい住生活を送っている人か、へそ曲がりを別とすれば、調査員を前にして、「住生活に満足していません!」と自分の住生活を否定する人は多くはないのではないか。
「本報告書を読む際の注意」には、わざわざ次のように注記されている。
なお、平成18年度以降は、調査実施主体が「内閣府」であることを提示した上で調査を実施している。
07年(平成19年)以降、住生活面での満足度が上昇傾向にあるのは、対象者が内閣府に忖度しているようなことはないのか……。