7月10日に国交省が発行した『羽田空港のこれから「ニュースレター」第7号(2017年春)』(A4判12ページ)を眺めていて、気になった文章。
2020年までの羽田空港の国際線増便に向け、航空保安施設等の施設整備や「環境影響等に配慮した方策」で示された環境・安全対策のさらなる具体化を進めていきます。(P1)
2020年までの羽田空港の国際線増便に向け、さらなる具体化を進めるって・・・・・・。
具体的にどのようなプロセスで、新飛行ルートが決定されるのか?
同レターにも、同じような意見が掲載されている。
新飛行経路については、誰が何をどのように決めるのか分からないことが気になります。(P10)
この意見に対して、同レター(1ページ)に掲載されている「今後の進め方の全体像」を見ろという。
今後の進め方
今回のニュースレター(1ページ)でも、これまでの取り組みと今後の進め方の全体像をお示ししました。今後、経路や運用方法などを含め、環境影響等に配慮した方策の更なる具体化の進捗状況や今後の予定については、最新情報を様々な方法で発信していきます。
同レターの1ページ目には、たしかに「羽田空港機能強化に向けたプロセス」が掲載されている(次図)。
ところどころ「環境影響に配慮」という表現が出てくるから、てっきり環境アセスメントが実施されるものだと思っていたら、どうやらそうではないらしい。
環境アセスメントは実施されるのか?
国土交通省が運営している「羽田空港のこれから」というサイトに公開されている冊子「羽田空港のこれから v3.0」(PDF23.4MB!)に環境アセスメントに係るQAが掲載されていた。
Q7 環境アセスメントは実施されるのでしょうか。
- 国土交通省としては、飛行経路の見直しに係る安全・環境面での情報提供に努めているところであり、今後も、わかりやすい情報提供のための工夫に努めて参る考えです。
- なお、今回の羽田空港の機能強化に際しては、航空機を安全に誘導するための無線施設(航空保安施設)の整備が必要ですが、この内容を含め環境アセスメントの対象となるものはない状況です。
「環境アセスメントの対象となるものはない状況です」って、ずいぶんと曖昧な回答である。
そこで、国交省の問合せ窓口に、電話で確認してみた。
国交省に電話で確認してみた
- (当方)「羽田空港のこれから」のQ7に環境アセスメントのことが書かれていますが、記載内容について確認させてください。
ようするに環境アセスを実施するのですか、実施しないのですか? - (相手)環境アセスメントは実施しません。
- (当方)環境アセスメントを実施しないとなると、現在提案されている新飛行ルートは、どのようなプロセスで決定されていくのでしょうか?
- (相手)それぞれの関係個所で議論し、決めていくことになります。
- (当方)一般論としてはそうなのでしょうが、具体的には誰が決定することになるのでしょうか?
- (相手)個人名はチョット・・・・・・。
- (当方)たとえば環境アセスを実施するならば、環境大臣が意見を述べて、主務大臣である国交大臣が決定することになりますよね。今回の場合の決定権者は誰なのでしょうか?
- (相手)「羽田空港機能強化に関するコミュニケーションのあり方アドバイザリー会議」の有識者の意見を聞いて、決定していくことになります。
- (当方)それはこれまでの話ですよね。今後もそのような有識者の会議体を設置して決定していくということなのでしょうか?
- (相手)有識者会議を設置するかどうかは、いまのところ決定していません。
環境アセスメントを実施しないことは確認できた。また、羽田新飛行ルートがなんとなく決定されていきそうなことは理解できた。