民泊のあり方を論ずるには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月初め、Airbnb登録件数に係る定量的な分析記事を投稿している。
ザックリいえば、全国的にAirbnb登録件数は2か月連続で減少。
Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが無料公開しているデータをもとに、7月1日現在のAirbnb登録状況を可視化してみた。
【全国】Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数 4.7万件（前月比▲2.4%減）2か月連続で減少
全国でAirbnbに登録されている物件数は46,840件（7月1日現在）。
前月比▲2.4%の減。2か月連続で減少している。
※正確にいうと、東京都は23区、大阪府は大阪市、京都府は京都市のみが調査対象。だから実際の登録件数はもう少し多くなる。
- 【メモ】17年4月1日の登録件数が落ち込んだのは、Airbnbシステムに一時的な変化（不具合？）があったためかもしれない。16年7月にも落ち込んだ事象が観測されている。Airbnbサイトのデータをクローリング集計しているAirbDatabankサイトだけでなく、AirLABOサイトでも同様の落ち込み事象が確認されている。
1都2府のAirbnb登録件数2か月連続で減少
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都（23区）約1万6,100件、2位大阪府（大阪市）約11,100件、3位京都府（京都市）約4,700件。先月と順位変わらず。
1都2府とも昨年の10月以降登録件数の伸びが鈍化し、ここにきて2か月連続で減少している（次図）。
1都2府のシェアは、16年4月の75.5%をピークに減少。7月のシェアは7割を切っている（68.0％）。
沖縄県、北海道、福岡のAirbnb登録件数も頭打ち!?
これまで増加傾向にあった沖縄県、北海道、福岡のAirbnb登録件数も頭打ちの傾向が見られる（次図）。
【東京23区】Airbnb登録件数2か月連続で減少
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区で3,533件。2位は渋谷区2,055件。この2つの区が第1グループを形成している。
第2グループは3位台東区、4位港区、5位豊島区。
新宿区の登録件数は、2か月連続で減少。2位の渋谷区は17年1月をピークに減少中（次図）。
【大阪市】中央区・浪速区の登録件数ともに減少中
大阪市内のAirbnb登録件数は、相変わらず中央区（3,966件）と浪速区（2,465件）がツートップ（次図）。
中央区、浪速区ともに、減少傾向にある。
今年に入って増加していた西成区は5月（1,071件）をピークに頭打ちか（次図）。
全国で最もAirbnbの登録数が多い自治体は中央区（大阪市）であることに変わりはない（次図）。
【京都市】Airbnb登録件数2か月連続で減少
京都市内のAirbnb登録件数は、下京区（1,077件）が圧倒的に多い（次図）。
京都市内のAirbnb登録件数は、2か月連続で減少（次図）。
16年7月13日に開設された「民泊110番」（6割が「通報」！京都市「民泊通報・相談窓口」260件（7月分））や、無許可での違法な「民泊」への指導の迅速化（違法民泊への指導迅速化！京都市17年度から）の効果が徐々に表れてきたのか、下京区のAirbnb登録件数は2か月連続で減少。
全国的にAirbnb登録件数は2か月連続で減少。
民泊新法（住宅宿泊事業法）が6月9日に参院本会議で可決・成立し、18年1月の施行に向けて、違法民泊がAirbnbから中国系Airbnbにシフトしたり、ニワカ大家さんが違法民泊から撤退し始めたりしているのかもしれない。
あわせて読みたい
