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都市整備局ファースト!? 公営住宅アスベスト問題

NHKが6月12日に報道した「過去にアスベスト使用の公営住宅 全国に2万戸以上」のニュースについては、先日のブログ記事で紹介した。

NHKが公営住宅のアスベスト問題を報じて以降、国や自治体の間で情報公開や住民の不安に応えようという動きが各地で広がっているという。


もくじ

公営住宅のアスベスト問題 各地で情報公開などの動き(NHK)

NHKが公営住宅のアスベスト問題を報じて以降、国や自治体の間で情報公開や住民の不安に応えようという動きが各地で広がっているという。

公営住宅のアスベスト問題 各地で情報公開などの動き

がん性のあるアスベストが全国の公営住宅の少なくとも2万2000戸で使われていたことが明らかになってから19日で1週間になります。専用の相談窓口を設ける自治体も出るなど、情報公開や住民の不安に応えようという動きが各地で広がっています。

(中略)

このうち、住宅を所管する石井国土交通大臣は会見で住宅などに使用されたアスベストのリスクに言及し、自治体に住民への情報提供を促す考えを示しました。(以下略)

(NHKニュース 6月19日)

1都3県でも情報公開

1都3県のホームページを見ると、早くも情報公開されていることが分かる。

  • 神奈川県
    6月14日:県営住宅のアスベスト一斉点検を実施します
    このたび「過去にアスベスト使用の公営住宅 全国に2万戸以上」というNHKの報道があり、あらためて神奈川県の県営住宅の入居者の安全について万全を期するため、過去に工事を実施した部分に損傷がないか、緊急に一斉点検を実施します。併せて、県営住宅のアスベスト相談窓口を開設します。
  • 埼玉県
    6月14日:アスベスト含有吹付け材が使用された県営住宅について
    平成29年6月12日、日本放送協会により「公営住宅のアスベストの使用状況調査」が報道され、不安が広がっています。そこで県では、過去に住戸などにアスベスト含有吹付け材が使用された県営住宅の状況を改めて公表(別紙一覧(PDF:122KB)及びホームページで掲載)するとともに、以下の相談窓口を設置します。
  • 千葉県
    6月15日:アスベスト含有吹付材が使用された県営住宅について
    平成29年6月12日の日本放送協会による「公営住宅のアスベスト建材の使用状況調査」が報道されたことを受け、その状況を改めて公表するとともに、相談窓口を設置します。
  • 東京都
    6月16日:吹付け石綿等が使用された都営住宅に関する報道について

    先般、公営住宅等のアスベストについて報道がありました。
     報道で紹介された「建物アスベストWEBサイト」にて公表されている公営住宅等のうち、吹付け石綿等が居室内に使用されていた都営住宅は1団地で、その概要は以下のとおりです。
    ・団地名:都営大森西一丁目アパート12号棟
    ・対象住戸:12戸(12階)
    1. 建設時(昭和45年度建設)、最上階の天井裏に石綿含有ロックウール材を断熱のために吹付けました。
    2. 平成15年度の大規模改修(スーパーリフォーム)工事において、当該吹付け材については、関係法令等に基づき適切に除却しました。
    3. 当該吹付け材は、天井裏にあり、天井板で囲われ、露出した状態ではなかったので、室内にアスベストが飛散していた可能性は低いと考えられます。 (以下略)

”都市整備局ファースト”な都の情報公開

今回、1都3県の本件の情報公開状況を調べるにあたって、都の情報だけは直ぐには確認できなかった。

同情報が都のホームページの「新着情報(報道発表)」に上がっていなかったからである。

ではどこに掲載されていたのかといえば、「東京都都市整備局」専用ページのなかに埋もれていたのだ(次図)。

「東京都都市整備局」専用のホームページのなかに埋もれていた
吹付け石綿等が使用された都営住宅に関する報道について

 

もちろん同ホームページの「報道発表資料」としても表示されていないのである(次図)。

ホームページの「報道発表資料」としても表示されていない

 

東京都都市整備局の専用ページに掲載されていても、多くの都民はアクセスすることはできないだろう。

これでは、都市整備局の言い訳(ちゃんと情報公開していますよ)のために掲載されているといわれても仕方がないのではないか。

なんとも”都市整備局ファースト”な都の情報公開ではないか。

 

東京都都市整備局の今回の公表によれば、吹き付けアスベストが使用された都営住宅は1団地(都営大森西一丁目アパート12号棟)12戸だけだったように読める。

一方、NHKが報じたのは都営住宅112団地のうち合計7,348 戸の住戸において、アスベスト(石綿含有ひる石)が天井に吹き付けられていたとされている(ただ、その大半は既に対策が施されていることになっている)。

都営住宅112団地のうち合計7,348 戸
ひる石使用住宅|建物アスベスト被害WEBサイト

 

NHKの調査結果は間違いだったのか?

都営住宅経営部住宅整備課に電話取材した結果は次のとおりだ。

  • 今回、都市整備局が1団地(都営大森西一丁目アパート12号棟)以外の団地を公表対象としなかったのは、ほかの団地で使われたのは「吹付け石綿」ではなく、「石綿含有ひる石」だったから。
  • 「石綿含有ひる石」が使われた団地については、東京都環境局の「東京都アスベスト情報サイト」で過去に公開されている。

ならば、都市整備局が6月16日に公開した情報に、その旨が分かるよう記したほうが、都民ファーストでは。

吹き付けアスベストが使用された都営住宅のマップ(23区)

念のため、NHKが報じたアスベスト使用住戸が含まれる都営住宅のうち23区分をグーグルマップに落としておいた。

不安な方は都の都市整備局(都営住宅経営部住宅整備課)に確認するといいだろう。


23区都営住宅(吹き付けアスベスト施工住戸)|Google マップ

(追記)都が吹付けアスベスト等の使用実態を公表

(※以下、6月30日追記)

都市整備局都営住宅経営部住宅整備課は6月29日、「都営住宅における吹付けアスベスト等の使用実態について」をリリース。
<国土交通省から「公営住宅等における吹付けアスベスト等の使用実態に係る情報提供について」(平成29年6月22日付け国住備第51号)で依頼があったことを受け、改めて>のお知らせということになっている。

別紙「使用実態一覧(PDF:167KB)」には、次のように4つの区分により、具体的な団地名称が掲載されている。

  1. 居室等において吹付けアスベスト等が確認された都営住宅(なし)
  2. 居室等以外の箇所において、吹付けアスベスト等が確認された都営住宅(5棟) 
  3. 施錠等により通常立ち入れない箇所において、吹付けアスベスト等が確認された都営住宅(13棟) 
  4. 管理開始時から措置済み又は吹付けアスベスト等の使用の有無の確認前に対策を行った都営住宅(1棟)

住宅整備課が6月16日にホームページに掲載していたのは、上記3区分のうちの4つ目の1棟のみであった。

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