マンション専門ブログ「スムログ」に先日、「リビングの日当り具合を知る方法」を投稿した。バルコニーの有無、リビングの向きによって、東京のマンションでは日差しはどのように違ってくるのかを定量的に示した記事だ。
当ブログの読者は必ずしも東京の方ばかりでないだろうから、緯度が異なる4つの都市(札幌、仙台、福岡、那覇)にマンションがあった場合の日差しについても計算してみた。
各都市の緯度の違い(地図)
東京(緯度:35.66°)と比べて、札幌(緯度:43.07°)や那覇(緯度:26.22°)は緯度の差が大きい(次図)。
緯度が違うと太陽高度が違うので、リビングへの日差しの長さも違ってくる。
(国土地理院の「日本全図」に追記)
計算モデルの設定
計算モデルは、次図のように設定した。
※詳細はスムログ記事「 リビングの日当り具合を知る方法」ご参照。
各記号の意味は次のとおりである。
- H:開口部高さ(=2.4m)
- h:太陽高度
- D:バルコニーの奥行
- L:日差しの長さ
各都市の計算結果
各都市とも「南向きリビング」として、夏至、冬至、春・秋分のリビングへの射し込み長さを計算した結果を以下に示す。
※計算方法の詳細についても、「 リビングの日当り具合を知る方法」ご参照。
札幌
太陽の高度が低い札幌では、バルコニー奥行きが2mあっても冬至の日中、リビングへは日差しは4m近く(東京は2m)入ってくることが分かる(次図)。
仙台
仙台では、バルコニー奥行きが2mあっても冬至の日中、リビングへは日差しは2mを超える(東京は2m)ことが分かる(次図)。
東京
東京では、バルコニー奥行きが2mあっても冬至の日中、リビングへは日差しは概ね2m入ってくることが分かる(次図)。
福岡
福岡では、東京ほどではないが、バルコニー奥行きが2mあっても冬至の日中、リビングへは日差しは概ね2m(東京は2m)入ってくることが分かる(次図)。
那覇
那覇では、バルコニー奥行きが2mあっても冬至の日中、リビングへは日差しは80cmほど(東京は2m)入ってくることが分かる(次図)。
各都市リビングへの日差し長さ比較(冬至)
東京を含む5都市の、冬至のリビングへの射し込み長さをひとつのグラフにまとめてみた(次図)。
ザックリ言えば、東京・福岡の日中リビングへの射し込み長さは2m程度。札幌はそれより2m長く、那覇は1m短いといったところ。
- ※朝方は曲線の間隔が狭く、夕方は曲線の間隔が広くなっているのは、都市により日の出、日の入り時刻が異なるため。特に、福岡と那覇は他の都市よりも西に位置するので、曲線が右側にズレている。
- ※早朝と夕刻にリビングへの射し込み長さが長くなる計算結果となっているが、実際には太陽高度が低い時間帯であるため、周辺建物に日射が遮られる可能性が高いことに要留意。
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