ゴルフ場の跡地、線路沿いに建つ大規模な高層マンションの広告。
物件概要
【第4期 予告広告】大手町駅直通36分、駅徒歩3分。総戸数437戸、19階建。販売戸数6戸、3LDK(74.70m2)~4LDK(85.56m2)。予定販売価格2,980万円~4,998万円。平成29年1月6日竣工済み(本チラシ掲載日の4カ月前)。
- 15年12月11日(金)の物件と同じ。
新聞半紙大のチラシのオモテ面に、駅チカのキャッチコピー。
駅前だから、思いのままに。
駅徒歩3分が売りのひとつだが、敷地の南面に道路を挟んで線路が走っているから、電車騒音がとても気になる。
チラシ裏面の「物件概要」に目を凝らすと、見慣れない表現が並んでいる。
- 本物件には西側隣接地(要役地)の通行地役権が設定される予定です。
- 建築計画・通行地役権により今回分譲する住戸の住環境等に影響が生じる場合がありますのであらかじめご承知ください。
地役権(要役地・承役地)とは何か?
地役権とは、自分の土地の利便性を高めるために、他人の土地を利用することができる権利のこと(民法第280条)。
通行地役権とは、通行という目的のために設定される地役権のこと。
本物件を例に具体的に図で説明してみよう。
「隣接マンション」のデベロッパーは、本物件と同じデベロッパー。
だから、本物件の入口を利用できる計画にすれば、隣接マンションの駅徒歩時間を短縮できる(次図)。
そこで本物件の入口を通って、隣接マンションへの通路を確保したのが次図。
通路を設けることによって、利用価値が高まる隣接マンションの土地を「要役地(ようえきち)」といい、利用される本物件の土地を「承役地(しょうえきち)」という。
チラシに「建築計画・通行地役権により今回分譲する住戸の住環境等に影響が生じる場合がありますので・・・」と記されているのは、隣接マンションの設計が確定していないので、通路の位置などが変わり得ることをエクスキューズしているのである。
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