中立的な第三者としての立場からEコマースや各種ウェブサイトの客観的な評価・比較を行うモーニングスター(株)は2月8日、Gomezのサイトで「売買不動産情報スマホサイトランキング」と「賃貸不動産情報スマホサイトランキング」を発表。
- 売買不動産情報スマホサイト:1位SUUMO、2位HOME'S
- 賃貸不動産情報スマホサイト:1位HOME'S、2位SUUMO
- 過去5年、売買・賃貸サイトともにSUUMOとHOME’Sが1位2位を独占
- 売買・賃貸サイトの課題(Gomezの総評)
モーニングスター社のアナリストが実際にウェブサイトを使って、次の4つの視点(カテゴリ)から構成される調査項目(売買サイトは141項目、賃貸サイトは137項目)により評価し、ランキングを決定しているという。
- サイトの使いやすさ
- 情報量とコンテンツ
- 安定性と信頼感
- 便利な機能・サービス
売買不動産情報スマホサイト:1位SUUMO、2位HOME'S
今回発表された売買サイトは次の7社。
( )内の数値は、「総合評価」の得点。理論上の最高得点は10点、最低点は0点とされている。
SUUMO(スーモ)とHOME'S(ホームズ)だけが7点超え。
- 1位:(7.88 )SUUMO
- 2位:(7.60 )HOME'S
- 3位:(6.63 )アットホーム
- 4位:(6.08 )goo住宅・不動産
- 5位:(6.02 )Yahoo!不動産
- 6位:(5.94 )オウチーノ
- 7位:(4.95 )スマイティ
Gomezのサイトでは、4つのカテゴリ別のランキングを見るためには、いちいちリンク先を開かなけばならない。そこで全体を俯瞰できるように、4つのカテゴリの得点も含めて、可視化してみた(一覧表)。
SUUMOとHOME'Sはすべてのカテゴリで1位または2位を占めている。
総合得点3位のアットホームは、「情報量とコンテンツ」の評価は6位と低い。
賃貸不動産情報スマホサイト:1位HOME'S、2位SUUMO
今回発表された賃貸サイトは次の11社。
( )内の数値は、「総合評価」の得点。理論上の最高得点は10点、最低点は0点とされている。
売買と同様、SUUMOとHOME'Sだけが7点超え。
- 1位:(7.71 )HOME'S
- 2位:(7.45 )SUUMO
- 3位:(6.82 )いい部屋ネット
- 4位:(6.49 )アットホーム
- 5位:(6.43 )マイナビ賃貸
- 6位:(6.37 )goo住宅・不動産
- 7位:(6.20 )スマイティ
- 8位:(6.02)Yahoo!不動産
- 9位:(5.81)アパマンショップ
- 10位:(5.54)オウチーノ
- 11位:(4.63)E-Life
賃貸ランキングについても、4つのカテゴリの得点も含めて、可視化してみた(一覧表)。
総合得点2位のSUUMOは、「安定性と信頼感」では3位、「便利な機能・サービス」では4位と低い。
総合得点3位のいい部屋ネットは、「情報量とコンテンツ」の評価は10位と低い。
過去5年、売買・賃貸サイトともにSUUMOとHOME’Sが1位2位を独占
これまでに発表された売買と賃貸のランキング5年分をまとめてみた(次表)。
売買・賃貸ともに、SUUMOとHOME’Sが1位と2位を独占していることが分かる。
※今回(17年2月)から「スマホ」ランキングと冠されている。15年12月以前は特にPCとスマホを区別する表現は見当たらない。
売買・賃貸サイトの課題(Gomezの総評)
Gomezサイトには、今回のランキング結果の「総評」として、「全体的な傾向と課題」が記されている。
売買サイトの課題については、「より正確な情報と質の高いサービスの提供が期待」が掲げられている。
「より正確な情報」とは、おとり広告が横行している現状(「おとり広告」と共生する不動産業界)を踏まえての指摘なのか――。
(前略)不動産業界においては、物件管理やエージェントマッチング、データ分析などReal Estate Tech(不動産テック)による新たなサービスに注目が集まっている中で、不動産情報を提供している不動産情報サイトでは、より正確な情報と質の高いサービスの提供が期待されています。
一方、賃貸サイトの課題については、「ユーザーの閲覧環境の多様化を考慮したマルチデバイス対応」が掲げられている。スマホの賃貸アプリ(iOS賃貸アプリ、Android賃貸アプリ)のユーザーフレンドリーな進化が期待されているのであろう。
(前略)今後は、ますます人工知能による自動分析化やマッチングサービスなど新たなサービスが増えていくと見込まれる一方で、ユーザーの閲覧環境の多様化を考慮したマルチデバイス対応など、ユーザーの視点に立ったウェブサイトづくりが望まれます。(後略)
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