トランプ大統領就任式の観衆の人数について、スパイサー大統領報道官は初の公式記者会見で、「就任式の観衆としては文句なく過去最大だ」と発言。
NBCテレビで同報道官の発言について質問されたコンウェイ上級顧問は、「あれはalternative facts(代わりの事実)」だったと反論した。
彼の国のハチャメチャぶりを笑ってばかりいられない。日本でも政府の統計に改ざんや計上ミスが発覚。
経産省改ざん、国交省計上ミス(日経記事)
経済産業省の繊維流通統計では改ざん、国土交通省の建築着工統計では計上ミスが発覚したという。
改ざんに計上ミス…揺らぐ政府統計
政府の統計が揺れている。経済産業省の繊維流通統計では改ざん、国土交通省の建築着工統計では計上ミスが相次いで発覚。政府内で統計の司令塔的な役割を担う総務省の統計委員会は27日、これらの事態を重くみて、両省が報告した原因と再発防止策を検証した。浮かび上がるのは各省で統計に基礎的な知識を持つ人材の不足と統計軽視の姿勢だ。
「はっきり言って捏造(ねつぞう)ですよ。犯罪に限りなく近い」。統計委員会の西村清彦委員長は怒りをあらわにした。出席した有識者からは「政府一丸となって統計改善に取り組む矢先の問題」「公的統計全体の信頼を揺るがす」などと危惧する声が相次いだ。
「信頼性を損ないかねない、心からわびる」。経産省の糟谷敏秀製造産業局長が事態を報告して謝罪。(中略)
国土交通省は昨年12月、建築着工統計を13年までの過去に遡り、4カ月分修正した。国内総生産(GDP)の推計に使う部分も一部含まれており、額の大きさによってはGDPの修正につながる恐れもある。同統計は建築業者などが出す工事届の内容から都道府県が調査表をまとめ、国交省が集計する。都道府県が工事費予定額を1ケタ誤ったり、着工月から2年遅れて集計したりしていた。(以下略)(日本経済新聞 1月27日)
サラッと「修正のお知らせ」(国交省)
当ブログでは、国交省が毎月末に公表している建築着工統計データをもとに分析記事を掲載しているので、ちょっとショック!
たとえば、12月27日付で公表されたデータに基づき、「11月の首都圏分譲マンション着工戸数 ▲3.0%微減」という記事を書いた。
このときは気づかなかったのだが、公表サイトをよく見ると、ページの下のほうに、サラッと「修正のお知らせ」と記されていたのだ(次図)。
「修正箇所につきましてはこちらをご覧下さい」とあるので、「こちら」をクリックすると、「正誤情報」のページが開く(次図)。
さらに、「平成28年12月21日・・・」をクリックすると、ようやく修正を知らせる次の文書にたどりつく。
「審査の徹底」で再発防止?
同文書には、調査票への記載誤りや審査の不備などにより、データの一部に誤りがあったと記されている。
「建築着工統計調査報告」の修正について
(平成25年7月分、平成27年4月分、同年7月分及び平成28年10月分)
「建築着工統計調査報告」の平成25年7月分、平成27年4月分、同年7月分及び平成28年10月分におきまして、調査票への記載誤り、審査の不備等によりデータの一部に誤りがあることが判明したので、お詫びして修正(別添正誤表の下線部が修正箇所)させて頂きます。修正する公表資料(別表参照)につきましては、正しいデータを用いた再集計を改めて行い、後日、ホームページにおいて公表してまいります。
今後、同様のことが発生することがないよう、審査の徹底を図るとともに、より正確な調査実施の方策を検討してまいります。
「今回の問題が発覚したのは、いずれも統計を公表している政府自身ではなく、統計作成の請負業者と金融政策における統計ユーザーという外部だった」(日経)という。
「国の統計職員数が10年間で7割減った」(日経)ので、担当者の大変さは想像に難くない。
「審査の徹底」や「より正確な調査実施の方策を検討」で再発防止は図れるのか――。
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