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民泊新法「住宅宿泊事業法(仮称)」判明!?自治体裁量権あり、罰則規定不明

民泊新法案の概要が判明したことを報じる産経記事。

他社はどこも報じていなので、産経のスクープか――。


もくじ

民泊新法案の概要が判明したことを報じる産経記事

民泊新法案概要が判明 届け出制で営業日数は条例で制限も

一般住宅に有料で旅行客らを宿泊させる「民泊」のルール作りをめぐり、政府が20日召集の通常国会に提出する新たな法案の概要が13日、判明した。

民泊サービスの提供に都道府県の届け出を必要とするほか、一定の衛生管理や苦情対応を義務づける。焦点となっていた年間営業日数は180日以内とするが、自治体が条例で細かく制限できるようにする方針だ。(中略)
インターネットなどで民泊の仲介を行う業者は、旅行業者と同様に観光庁への登録が必要となり、宿泊者に対して契約内容の説明義務を負うとした。(以下略)

(産経ニュース 1月14日)

 

産経記事で明らかになったこと

昨年の12月5日に日経が上げたアドバルーン記事から更に明らかになったことは2点。

ひとつは 「自治体が条例で細かく制限できる」としたことだ。

自治体に裁量権を認めることについは、これまで賃貸業界だけでなく、新経済連盟(ネット業界)も反対していた論点であったのだが(民泊新法|2016民泊施策を振り返る(2) )。

 

明らかになったことの二つ目は、民泊新法の呼称が「住宅宿泊事業法案(仮称)」であること。

「住宅宿泊促進法案(仮称)」でもなければ、「住宅宿泊管理法案(仮称)」でもない。

ニュートラルではあるが、なんとも地味なネーミングだ。

 

産経記事で明らかになっていないこと

産経の記事でも未だ明らかになっていないことは2点ある。

ひとつは、賃貸業界がロビー活動を行っている「特定簡易宿所」制度の創設の件。

もし「特定簡易宿所」が民泊新法に盛り込まれると、マンション住人への影響は大きい(マンション住民の安全・安心の危機!「特定簡易宿所」制度が創設される?)。

 

そしてもう一つは、罰則規定の内容について。

大田区や大阪市が実施している罰則規定のない特区民泊が形骸化していることは、すでにこのブログでも紹介した(大田区に続き大阪市も失敗!?特区民泊 )。

これまで旅館業違反で懲役刑を受けた違反者はいないし、「3万円以下の罰金」くらいでは、闇民泊への抑止力にはならないだろう。

民泊の規制緩和を進めるのであれば、違法民泊を放置せず、マンション住民の安全・安心を確保すべく、実効的な罰則規定と併せて制定することが肝要である(民泊推進には実効性のある罰則規定が欠かせない)。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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