福岡市は11月28日、民泊の規制緩和に伴う”ガイドライン”を発表。
ビデオカメラを玄関前に設置することや、民泊ホストは宿泊者と直接会って鍵を引き渡すこと、 民泊施設から10分以内に駆けつけられる範囲に事務所を設けることなどが義務づけられている。
- ◇福岡市、民泊に初の指針(西日本新聞の記事)
- ◇福岡市の民泊の規制緩和に伴う”ガイドライン”はどこに掲載されているのか?
- ◇帳場の機能を代替する設備が設けられ、かつ、善良の風俗の保持を図るための措置が講じられていること
- ◇事故が発生した場合その他緊急を要する場合に迅速に対応することができる体制が整備されていること
- ◇あわせて読みたい
◇福岡市、民泊に初の指針(西日本新聞の記事)
福岡市は11月28日、民泊の規制緩和に伴うガイドラインを発表したことを伝える西日本新聞の記事。
福岡市、民泊に初の指針 24時間管理事務所を設置
福岡市は28日、民泊の規制緩和に伴うガイドラインを発表した。関連条例の12月施行を前に、業者向けの詳細なルール(細則)を初めて示した。
外国人観光客増を目指し民泊を推進する国の法令改正に合わせてフロントの設置義務を緩和した一方、住民らの間で治安への懸念も根強いため、緊急時に管理者が10分以内に駆け付けることなどを盛り込んだ。(以下略)
(西日本新聞 11月29日)
◇福岡市の民泊の規制緩和に伴う”ガイドライン”はどこに掲載されているのか?
福岡市が11月28日に公表した「福岡市旅館業法施行条例を改正しました」をひも解いてみた。
同公表ページは、ゴチャゴチャしていて分かりにくい。
「ガイドライン」という表現こそ使われていないが、民泊の規制緩和に伴うガイドライン的な内容は、「「市長が別に定める書類」や「市長が別に定める設備、措置及び体制」の許可申請時の審査事項等」に紛れ込んでいることが分かる(次図)。
同審査事項等の文書のなかから、気になる部分を抽出してみた。
◇帳場の機能を代替する設備が設けられ、かつ、善良の風俗の保持を図るための措置が講じられていること
72 時間以上映像を保存できるビデオカメラを玄関前に設置することが義務づけられている。
ビデオカメラ等の設置
(ア)※省略
(イ) ビデオカメラの設置場所は、次のとおりとする。
- a 宿泊者が施設を出入りする映像が映る位置であること。 なお、施設が共同住宅の場合は部屋(例 101号室など)の玄関前、戸建住宅の場合は、建物の玄関前にビデオカメラを設置すること。
- b 出入りする宿泊者の顔が認識できる位置であること。
(ウ) ビデオカメラ等は撮影した映像を 72 時間以上保存できるものであること。
(エ) モニターの設置場所は、管理事務所であって、かつ、営業者又はその代理人、使用人その他の従業者(以下、「従業者等」という。)が常時監視できる位置であること。
車など移動可能なもの管理事務所としては認められていない。
管理事務所の設置
管理事務所は専用の事務所である必要はないが、車等移動可能なものは認められないこと。
民泊ホストは、宿泊者と直接会って鍵を引き渡すことが義務づけられている。
施設で面接等を行う場合
施設で面接等を行う場合は、従業者等が解錠のうえ、宿泊者に鍵を引き渡すとともに、管理事務所の所在場所を地図や管理事務所の外観写真等を用いて説明すること。
管理事務所で面接等を行う場合
管理事務所で面接等を行う場合は、施設まで従業者等が宿泊者に付き添って案内し、従業者等が解錠のうえ、宿泊者に鍵を引き渡すこと。
ただし、次の事項をすべて満たす場合はこの限りでない。
(以下略)
◇事故が発生した場合その他緊急を要する場合に迅速に対応することができる体制が整備されていること
民泊施設から10分以内に駆けつけられる範囲に事務所の設置が義務づけられている。
管理事務所の位置
「施設が管理事務所から速やかに駆けつけることができる範囲」とは10分以内に駆けつけることができる範囲であること。
審査に当たっては管理事務所から施設までの実測距離と交通手段から以下を参考に設置場所の妥当性を判断すること。
- 徒歩………………1分80メートル
- 自転車……………1分180メートル(目安)
- バイク・自動車…1分250メートル(目安)
民泊事業の規制緩和に慎重な自治体が多いなかで、福岡県と福岡市は例外的に民泊の規制緩和に積極的だ。
あと、松井知事の大阪府と。
福岡市は民泊需要の取り込みで、民泊に前向きな北九州市と競い合っているのか――。
◇あわせて読みたい
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