スタイルアクト株式会社は11月8日、住まいサーフィン・サイトに「住み心地満足度調査2016」を公開。
同ランキングの公開は2009年から始まって、今回で8回目。
ランキング資料には、総合満足度ランキングの内訳も掲載されている(次表)。
大手不動産がほぼ毎回上位にランクイン
過去に発表された資料をひも解き、2009年(第1回)以降のランキングをまとめたのが次表。
大手5社(住友不動産、野村不動産、三井不動産R、三菱地所R、東急不動産)が、ほぼ毎回上位にランクインしていることが分かる。
調査対象者は「住まいサーフィン会員」だけではない
有効回答数は毎年増加している(次図)。
調査対象者は「住まいサーフィン会員」だけでなく、2015年からは「ネットリサーチ会社のパネル」(=モニター会員)が加わり、2016年からはさらに「一部管理会社の顧客」が加わっている(内訳不明)。
ランキングは、次の9項目を5段階評価した結果だ。
- 『専有部の住戸設計』について伺います。
間取りや空間は気持ちよく過ごせる設計ですか。収納スペースの使い勝手も含めてお答えください。- 『専有部の住戸環境』について伺います。
住戸内において採光・通風・遮音性・断熱性・結露の程度はいかがですか。- 『専有部の設備水準』について伺います。
機能面は使いやすいですか。設置設備の必要性に過不足がないかも含めてお答えください。- 『建物の耐震性・構造』について伺います。
これまでに起こった問題や経験から、今後も安心できるかどうかを含めてお答えください。- 『建物の共用部』について伺います。
セキュリティ水準・エレベータ台数・駐車場台数・敷地内共用設備・配棟などプランニングはいかがですか。- 『建物の立地』について伺います。
通勤・通学・買い物・学校・病院・公園など、住んでいる街や駅など立地条件はいかがですか。- 総合的に考えて、購入したマンションの満足度はどの程度ですか。
- 購入検討時の他のマンションと比較して、購入したマンションのコストパフォーマンスはどの程度ですか。
- 上記の売主を知り合いに薦めたいと思いますか。
この調査結果はどの程度、実態を反映しているのか?
回答者は、いくつもの売主のマンションに住み比べて回答しているわけではない。あくまでも、自分の住んでいるマンションを評価しているに過ぎない。項目ごとの5段階評価とはいえ、厳密な絶対評価とはいえないのでは。
自分が住んでいるマンションがたまたま、ブランド力のあるマンションだと、期待される満足度の水準が高いというバイアスがかかっていないだろうか。たとえば、少しでも収納が少なかったら、低評価になるとか。
また、逆に、たまたま住んでいるマンションがマイナーな不動産会社のマンションであって、それほど期待してないところに、チョットした点が良かったので高い評価となっているようなことはないのか?
回答者が住んでいるマンションを供給した不動産会社の分布を知りたいところだ。
満足度調査は、複数のマンションに住んだことのある経験者による回答であること、またその評価指標はできるだけ定量的な絶対評価項目であることが望ましいのではないだろうか(むろん、そんなことは難しいだろうが)。
あと、回答者なかに、特定の不動産関係者が紛れ込んで、組織的な投票行動をとっていることはないのか?
とまあ様々な想像が働くのだが、いわゆるランキングモノに対しては、前提条件をしっかり確認したうえで、受け止めたほうがいいのではないのかという話。
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