民泊のあり方を論ずるには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月初め、Airbnb登録件数に係る定量的な分析記事を投稿している。
Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが無料公開しているデータをもとに、11月1日現在のAirbnb登録状況を可視化してみた。
全国Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数 4.4万件
全国でAirbnbに登録されている物件数は43,737件(11月1日現在)。
前月比2.6%の微増。
※正確にいうと、東京都は23区、大阪府は大阪市、京都府は京都市のみが調査対象。だから実際の登録件数はもう少し多くなる。
1位東京・2位大阪・3位京都の順位変わらず
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都(23区)約1万5,500件、2位大阪府(大阪市)約11,600件、3位京都府(京都市)約4,300件。先月と順位変わらず。
1都2府とも、7月に初めて減少に転じていたが、再び増加している(次図)。
1都2府のシェア減少(73.2⇒71.8%)
都道府県別のシェアを次図に示す。
1都2府だけで全国の72%を占めている。
1都2府のシェアは、73.2%(10月)から71.8%(11月)に減少(次図)。
4月の75.5%をピークに減少している。
1か月前と比べると、沖縄県(3.5⇒3.6%)、福岡県(3.5⇒3.6%)、北海道(3.3⇒3.4%)のシェアが増えていることの影響が大きい。
東京23区:1位新宿約3,300件、2位渋谷区約2,200件
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区で約3,300件。2位は渋谷区約2,200件。この2つの区が第1グループを形成している。
第2グループは3位港区、4位台東区、5位豊島区、6位世田谷区。
国内初の民泊条例施行でマスコミが盛んに取り上げている大田区(298件)は14位に過ぎない。
大阪市:中央区が約4,000件で全国一をキープ
大阪市内のAirbnb登録件数は、相変わらず中央区(4,073件)と浪速区(2,659件)がツートップ(次図)。
全国で最もAirbnbの登録数が多い自治体は中央区(大阪市)であることに変わりはない(次図)。
7月に減少に転じていたが、8月以降再び増加を続けている。
京都市:市長の意に反して再び増加
京都市内のAirbnb登録件数は、下京区が圧倒的に多い。
Airbnb登録件数は5月から2か月連続で減少していたが、7月を境に大幅増に転じ、その後足踏みしていたが再び増加(次図)。
7月13日に開設された「民泊110番」(6割が「通報」!京都市「民泊通報・相談窓口」260件(7月分))の抑止効果も一時的なのか、再び増加し始めた。
京都市長の「集合住宅内の民泊は認めない発言」(8月31日)の口先効果は効き目がないようだ。
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